人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

テムズ河畔のアトラクション

遊歩道が賑わう理由はアトラクションのせいだった

 小雨が降りしきる悪天候にも関わらず、テムズ河畔の遊歩道には大勢の人がいた。すぐにその理由がわかった。空を見上げると、すぐ近くに大観覧車が見えたので、遊園地か何かがあるのかと思ったら、「ロンドン・アイ」と大きく書いてあった。日本によくあるような観覧車に似ているが、客席がカプセルの形状になっていた。これに乗り込めば、ロンドンの街を上空から空中散歩できるとあって、チケット売り場には長蛇の列ができていた。生憎の小雨も肌寒さも彼等には全く関係ないようだ。さらに、少し歩くと、ある建物の前で人だかりがしていた。いったい何事と思ってよく見ると、何かの劇場らしき建物の看板には薄気味悪い絵が描いてあるのに、家族連れが入口で今か今かと入場を待っていた。先ほどガイドブックで調べてみると、ロンドン・ダンジョンと呼ばれるもので、これはある種のお化け屋敷らしい。「参加者が劇中に入ってしまったかのような設定で、中世の残忍な処刑の様子や過去のロンドンでの悲惨でおぞましい事件をを追体験していく」との説明があった。予想通り恐ろしいアトラクションのようだが、なぜそんなに人気があるのだろうか。こればかりは実際に体験しないとわからない。

 特筆すべきは、ロンドン・アイやとロンドン・ダンジョンのすぐ向こう岸にはウエストミンスター寺院とビッグベンの国会議事堂があって、最高のロケーションだということだ。早速私もウエストミンスター橋を渡って、大勢の人で混雑するウエストミンスター寺院の門の方向に向かうのだが、どうやら見学はできないらしい。もしかしたら、あれは日曜だったからなのか、もちろん観光目的での入場は不可だが、ミサだけは見学できると、後からガイドブックを読んで知った。手持ちの地図によると、そう遠くない場所にあの有名なバッキンガム宮殿もあるとわかったが、疲れてしまっていた私にはもう気力がなかった。それで、地下鉄でウエストミンスターの駅からホテルのあるキングス・クロス・セントパンクロス駅まで帰った。「帰った」と簡単に書いたが、実はまたもや券売機でチケットを買う際に、トラブってしまった。要するに、駅名が長すぎて、「キングス・セントパンクロス」とばかり思っていたら、「クロス」が抜けていて、何度やってもエラーが出てしまった。確かに、それらしい選択肢を選ぶようにはなっているのだが、そううまくは行かなかった。私のような異邦人には券売機で最初に駅名を入力するシステムはハードルが高すぎた。もっとも、道順にしても、システムにしても、何でもそうだが、慣れればどうってことはないのだが、「初めて」という状況では戸惑って当然だ。全然、恥ずべき事でも何でもないと思う。

 さて、疲れ切ってホテルに帰った私はベッドに倒れ込み少し眠った。だが、その後すぐに買い物に行こうとショッピングセンターのブランズウイックの方向に向かった。だが、そこにあるWAITROSEというスーパーには行かず、そこを通りすぎて、TESCOに入った。WAITROSEの店員さんが親切で感激したと言う記事を以前書いたが、そこに行けばいいのに行かなかったのは、現金が使えなかったからに過ぎない。TESCOもほとんどがセルフレジでカード払いだが、現金が使えるレジもあったからだ。それにTESCOには他と比べても激安の商品があったし、WAITROSEに比べて混んでいた。例えば、プラスチックの丸い容器に入ったサラダで、パリで買えば8ユーロはしそうな商品が、特売なのだろうが、1.25ポンドと夢のような安さで仰天した。フリルレタス、キュウリ、トマトにチキンとチーズが付いていて、ドレッシングの袋まで入っていた。実に旅行者にとっては有難い値段で、そこの棚だけ空間ができていた。

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