人生は旅

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阿佐ヶ谷姉妹は不思議

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のほほんとしているように見えてしまうのはなぜ?

 阿佐ヶ谷姉妹のドラマ「のほほん二人暮らし」を楽しく見ています。先日は美穂さんの考え方があまりにも予想外というか、想定外だったので仰天してしまいました。お二人は芸人コンテストで優勝したのがきっかけで一躍有名になったのですが、売れない頃は姉の江里子さん一人での仕事が多かったそうです。業界用語で言うと、「ピンでの仕事」で物腰が穏やかで喋りが得意な江里子さんにどうしても仕事が集中してしまうのです。テレビ番組のレポーターの仕事を卒なくこなす江里子さんですが、次第に一人で仕事をすることにストレスを感じ始めて、倒れそうになってしまいます。「もう限界かも」と江里子さんなりに悩み始め、マネージャーさんも何とかしなければと気をもむのです。

 その一方で、相方の美穂さんときたら、江里子さん一人だけ忙しくて、自分は暇でもいっこうに気にしないのです。二人暮らしなので、ひとりで家に居られるのが楽しくて仕方がないようです。それと言うのも、阿佐ヶ谷姉妹はどんな仕事でもギャラは折半なので、美穂さんには仕事をしなくてもお金が入るからでした。だから「私はちっとも構わない」と余裕の表情で焦りなど微塵も感じられません。美穂さんはまさに「のほほん」としていて、ひとりを楽しんでいるようです。マネージャーさんに「二人での仕事を取れるようにもっと頑張りますから」と申し訳なさそうに言われても、「私はこのままでいいんだけど」。そんな態度に「ええ~っ!」と困惑してしまうのは視聴者も同じです。

 「のほほん」とマイペースな美穂さんにも驚くことはあるようで、ある日江里子さんの意外な一面を発見してしまうのです。それは江里子さんが隣のカップルの言い争う声にイライラしていた時でした。夜遅く疲れて帰ってきた江里子さんが物凄い剣幕で隣の部屋に怒鳴り込もうとしていたのです。そしたら隣の騒動の相手が偶然にテレビの番組で江里子さんを見かけたらしく、「あなたは、もしかして阿佐ヶ谷姉妹のお姉さん?」と言われました。すると江里子さんは途端に仕事モードになって笑顔満開です。あろうことか「よかったら、家でお茶でも飲みませんか」などと態度を180度変えたのです。江里子さんが態度を一変させるのを目撃した美穂さんは「なんという感情の乱降下!」と仰天したのでした。

 番組の中で二人がネタを考える場面があるのですが、ネタがどのようにして生まれるのかについてのヒントを知りました。例えば、街で見かけた別れ際なかなか手を離さないおばさん二人、互いの手を握り合い「あなただけが私の気持ちをわかってくれるのよね」とその手に気持ちを込めているのがよくわかります。それからスーパーの試食販売でよそ行きの声で「いかがですかぁ」と連呼してウインナーを売る販売員のお姉さん。ここでのお姉さんはありえないことに、「いかがですか」と言う度に手に持っているつまようじのウインナーをパクリとやるので思わず笑ってしまいます。

 美穂さんに言わせると、普通の人たちがいつもやっていることを観察すれば、つまり真似すれば必ずネタは生まれるらしいのです。どうやらネタは日常生活の中に、ありとあらゆる場所に散らばっているのです。実を言うと、私は最近のお笑いはわからなくて、何が面白いのかさっぱり理解できないのです。だから美穂さんの発言は目から鱗で「そんなことでいいの?」と意外でしかありませんでした。ドラマでは二人が6畳のアパートで何をするのでもなく、たわいもないおしゃべりをしながら時を過ごす文字どりの「のほほん」な生活を送ります。考えてみると、厳しいお笑いの世界で「のほほん」としていて生き残れるものなのか、そんなわけないと思うのですが、それでも二人にはやっぱり「のほほん」という言葉が似あうのです。