人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

羽毛布団を買いに

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羽毛布団を買って使ってみたら、

 先日ふと寒さを感じて飛び起きた。なんだか布団の中に居るのにちっとも暖かくない。どうしてなのか、それでよく考えたら、今の布団はもう10年以上使っていることに気が付いた。そういえば、買った当時と比べるとボリュームが悲しほどなくなっている。ネットで検索してみると、羽毛布団の寿命は10年から15年だそうだ。私の使っているのは3万円で買ったそんなに高い物ではないから、もうとっくに寿命なのだろう。外はどんな寒くても布団の中だけは暖かくあって欲しい。それでお財布には痛いが寒いのだけはごめん被るので買いに行こうと銀行にお金をおろしに行った。

 家から歩いて30分のところにあるディスカウントショップに行った。寝具コーナーにはお買い得の値札が付いた様々な値段の布団が置いてあった。最初に目に付いたのは17,500円の物で、敷パッド、掛布団カバー、枕カバーがセットになっていた。きっとこれから新生活を始める人向けのお値打ち商品なのだろう。その隣には19,800円の布団があり、その横には京都西川とラベルに書いてある39,800円の青と赤の色違い布団が並んでいた。ふとできれば「それがいいんだけどなあ」という考えが頭をよぎった。でもすぐにそれは高すぎるだろうと思いなおした。なぜなら消費税が10%なのでものすごく高い物に感じてしまうのだ。実際支払うのは4万4千円近い金額だからだ。

 19,800円のも、39,800円のもなんだかしっくりこないので、買う気が起こらない。他にないのかと思って歩き回ったら、一番奥の目立たないところに29,800円の羽毛布団があった。ホワイトダウン90%、充填量1.2kgのハンガリーダックダウンと書いてある。それに暖かさレベル4とあって、星★6つが最高らしい。この暖かさレベルがどれほどのものなのか、いまいちわからない。それに客が目を留めることがないだろう場所にひっそり置かれていたのも気にかかる。だが、それを買う以外にもう選択肢は私にはないようだった。側には「他の量販店の羽毛布団は充填量が0.8kgですが、当店は1,1kgなので違いは明らかです」などという注意書きがあった。これには「ええ~!そうなの?」と少し心をくすぐられてしまった。本当かどうかなんて誰もわかりはしないのだが、店のセールスポイントにはなっている。

 正直言って、私が買った29,800円の羽毛布団は昔聞いた話からすると、物凄く安い買い物だ。当時は誰もが羽毛布団を、それも相当に高級なものをローンで買っていた。その価格は20万、いいえ、もっと高かったと思う。はっきり言って、上を見ればきりがないのだ。皆暖かい布団で寝たいらしく、人生の半分の時間は睡眠に当てられているのだから当然と言えば当然だ。私の知人などは高級な羽毛布団を買って、支払いが月2万円だとか嘆いてはいるが、本心は満足していて、自慢したいのがよくわかった。彼女はお金を使うことが楽しいのだ。どうせ買うなら、高くてもいい物をという思考が働くらしい。そういう考えは理解はできても、共感することはできずにいた私は傍観するだけだった。

 思えば、以前はよく町中で羽毛布団の説明会をやっていた。「お時間のある方はためになる?話なのでぜひお越しください」などと業者が道行く人に声をかけていた。「お土産もありますから、お話だけでも聞きに来ませんか」と甘い言葉で誘っていた。お年寄りなどは時間だけはあるのものだから、卵やら、カイロやら、ティシュペーパーなどの日用品を貰えると言うのでそれに釣られて行ってしまう。だが、本当に話だけで済むわけもなく、ひとりずつ懇切丁寧に説明され、説得されたあげくの果てに契約してしまうのだ。ただ、本人たちも少なからず、そんなものがあったらどんなにいいかという気持ちもどこかにあるのは言うまでもない。

 高級羽毛布団を愛用している知人には私が買った布団などは、「それって羽毛布団じゃないでしょう」と言われてしまいそうだ。やはりお金がものを言うのだろうか。でもどんなに高い布団も残念なことに寿命があると思うのだが、その辺のところはどうなのだろうか。しまった、そんな大事なことを聞き忘れていた。

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