人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

帯状疱疹で、海外旅行どうなる?

今週のお題「ゾッとした話」

あわや旅行中止を余儀なくされるところだったが・・・

 今回の私のぞっとする話は、実際にぞっとなった話ではない。というよりも、もしあのとき、あの行動をとっていなかったと思うと、ぞっとするというものだ。皆さんは行くことになっていた海外旅行に、何らかのアクシデントで行けなくなったことはないだろうか。例えば、病気とか、ケガとか、そう言ったことは予告なく起こるものだが、信じられないことに、何年か前に我が身にもそれは起こった。

 考えてみると、それは起こるべくして起こったと考えるのが妥当だ。当時私は2週間の休暇をとり海外旅行に行くことにしていたが、それまでにやるべき仕事は山積し、それをミスのないようにこなすことで精一杯だった。自分では高揚感に溢れて、充実していた日々に思われたが、身体は正直だった。仕事を終えて帰宅し、さて寝ようかとなったとき、なにやら、首のあたりに違和感があった。少しむず痒いような気もするので、触ってみると、発疹と言うかイボのようなものが一つできていた。最初は虫にでも刺されて、腫れあがっているのかと思った。だが、次第に痒みが増していくので、また触ってみると、なんとそのイボのようなものが二つ、いや、三つに増えてた。

 これはどう考えてもおかしい。なんだか嫌な予感がした。ふと、以前水ぼうそうになったときも、同じ様な症状だったことを思い出した。実を言うと、私は20代後半に水ぼうそうを発症し、言葉で言い表せないほどの辛い思いをした。水ぼうそうというのは子供の頃に皆やっていて免疫があるものだとばかり思っていたが、残念ながら、私にはそれがなかったようだ。あの時はちょうど田舎に遊びに行って帰ってきて間もない頃で、親戚の子供からうつったらしい。でも、当時のそんな辛い思い出が役に立ったようで、これは放って置いたらまずいと判断した。しかし、その時は夜中だったし、病院の救急に行くのをためらった。少し様子を見ることにして、朝一番に病院に行くことにした。

 タクシーを飛ばして病院にいったが、その時は自分が何の病気か全然わからなかった。だが、間違いなく、首にできている発疹は、先端が膿を持っていたし、どんどんその数を増やしていくだろうことは容易に想像できた。なんとかしなければ、何とか発疹の成長を食い止めなければと必死だった。その必死になったのには、ちゃんとした理由があった。それは翌日が海外旅行の出発日だったからで、それにはこんな症状を抱えたまま飛行機には乗れないからだった。病院の先生になんとかしてもらおうと、飛行機に乗れる身体にしてもらえるよう頼むつもりだった。

 休日なので、朝からその診療所は混んでいた。それでも1時間ほど待って診てもらうと、診断は帯状疱疹とのことだった。帯状疱疹はたしか、皇后さまがその病気に罹られて話題になったと記憶しているが、全くの他人事で興味もなかった。噂によると、患部が黒みを帯び、時には鋭い痛みを伴うこともあると聞いたことがあった。だが、私の場合は気づくのが早かったこともあり、すぐに薬を飲んだおかげで、全く普段通りに過ごせた、と言うか、翌日は予定通り飛行機に乗れた。診療所の先生に「5日間薬を飲めば治りますよ」と平然と言われたときは、まさに”地獄に仏”だった。知らなかった、ちゃんとそんないい薬があるとわかってホッとした。いい薬だからだろうか、4千円近くも払ったが、そんなことは問題ではない。

 そんなわけで、たいして痛い思いをしなかった私は、帯状疱疹で辛い思いをしたと人に聞いても感情移入することができない。まあ、私の場合はその前に人の何倍もの痛い思いをしているから、その経験が役立ったというべきなのだが。それにしても、楽しい海外旅行の直前にあんなアクシデントに見舞われると想像しただけで、ゾッとするし、また、もしもそんな微妙な変化に気付かずに、飛行機に乗ってしまったらと思うとまたまたゾッとする。

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