人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

”いつでもどうぞ”に困惑

 

今までと勝手が違って、どうしたものか

 私は今とても戸惑っている。正直言って、かつてないほど困っている。何に困っているかと言うと、旅行の日程が決まらないことに。今までと違って、すんなり日程が決められないことに頭を抱えている。なぜこんなことになったかというと、始まりは大手の宿泊サイトbooking.com から送られてきたメッセージだった。「あなたはレベル3の会員です。その特典を利用して海外に出かけませんか」という美味しい文句に私の好奇心は刺激された。これから行こうとしているパリのホテルでもちょっと見てみようか、と何の気なしに検索してみた。口コミでの人気ランキングではアパート形式のホテルが上位を占めていて、それもルーブルやオルセーに歩いて行ける距離にある最高の立地だった。

 一泊の料金がなんと2万以下だったので、こんなところがあったんだと仰天した。知らなかった、探せばこんなお得なところがあるのかと感激し、早速10月中旬の日程で検索してみた。ところが、信じられないことに、画面には「この日程のお部屋はすべて売り切れております」と出た。日にちを変えてみても結果は同じで、よく見ると赤字で「パリのこのエリアにあるホテルの70%が予約不能となっています」と出ていたので、目が点になり、思考回路が混乱状態となった。いくらなんでもまだ4月の中旬で、10月なんてまだまだのはず、いつもなら空き室ぐらいあって当然なのに。なんで?、どうしてこうなるの?と叫びたくなったが、すぐにいつもとはどうやら事情が違うらしいと気付いた。おそらくその時期には何か大規模なイベントがあって、世界中から人が集まるに違いない。

 それが何か知りたくて、ネットで検索を試みるのだが、確かな理由は分からない。宿泊日程を10月がダメなら11月にしたらどうかと試してみるが、結果は同じ。仕方がないので、今度は「ホテルのランクが低い順」で検索してみたら、空室はあるにはあるが、1晩しか泊まれない。それで試しに9月にしてみたら、連泊できるホテルが見つかった。それも中心から800m付近にある一つ星ホテルで、カルチェラタンにあって、最高のロケーションだった。そこを予約でだけでもしておこうか、と思い、今度はコロナ前に利用していたフィンランド航空のサイトで、航空運賃を確かめてみた。すると、10月下旬から11月にかけての料金とたいして変わらない金額だったので、9月出発もありかなと思っている。

 考えてみると、なんだかおかしな話だ。以前はまずは航空運賃の安さで日程を決めていたようなものだが、今回はホテルの空き室があるかどうかで、いつ行くかが決まるのだから。何の気なしに、覗き見的で、まだ本当に行く気になっていなかったのに、ホテルのサイトを見たせいで、なんだか後ろから見えない何かに追いかけられているような気分にさせられている。いつものあのワクワク感はまったくなく、自由にホテルを選ぶということができないでいる。本当に行くのであれば、とりあえずホテルを予約して確保しておくことが何よりも大切なことだ。

 正直言って、コロナ前は楽だった。最安値の航空運賃が自分の行く日程を決めてくれたので、迷うことなどなかった。だが現在は一年中たいして値段は変わらず、いつ行っても同じだから、お得感は全くない。”いつでもどうぞ”で”お好きな時に”なので、自由になれたにもかかわらず、かえってこちらは戸惑ってしまう。できるだけ早く今までの考え方を捨てて、本当の意味で自由になる必要があるのだが、上手く行かない。今の私がすべきことは、自分がいったいパリで何をしたいのかをもう一度よく考えることだ。そして、こう書くとなんだか急がされているようで、あまり気分がよくないのだが、早急に旅行の計画を立てることに尽きるのだ。

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