人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

気を取り直してホテルを探す

 

 

ロケーションだけでなく、クチコミ評価も気になって

 パリでの最初のホテルを、バストイレが共同なのは、きつすぎると言う理由でキャンセルしようと決めた私は、再度宿泊サイトを獲物を狙う動物のごとく目を光らせて見ていた。なんとかそれに代わるホテルを見つけ出そうと必死になっていた。「パリ、ホテル、ルーブルに歩いて行ける」と打ち込んで検索してみると、パリ5区のカルチェラタンにあるアパートメントが最上位にランクされていた。それは「ホテル・サンジェルマン・パリ」で、この名前には確か見覚えがあった。一番最初にホテルを探そうとしたときに、口コミで人気の宿で検索したら、このホテルが上位に上がっていたからだ。上位に上がっているのはアパート形式になっていて、キッチンが付いているホテルが多く、皆考えることは同じだった。

 私は今まで、パリでアパート形式のホテルには泊まったことがなく、また、泊まろうとも思わなかった。炊飯器で自炊はしていても、たいていは間に合っていたし、旅行に来てまでわざわざ料理をしたくないからだった。サンセバスチャンで偶然アパートメント形式のホテルに泊まることがあっても、キッチンで何かを作ろうなどとは夢にも思わなかった。だが、考えてみると、包丁とまな板があれば、果物や野菜でサラダを作れるだろうし、まあ、今まではそれがなくても何とかなっていたのだが。例えば、飛行機に乗って、機内で出される食事の時についてくるプラスチックのナイフとフォークをこっそり貰っておくと物凄く重宝した。いつもお箸を使って食事をする私には必要なかったが、とっておけば、何かの役に立つものだと気付いた。

 話が横道に逸れたので、ホテルの予約のことに戻そう。この「ホテル・サンジェルマン・パリ」は1週間ほど前に検索した時は、私が希望する日程ではすでに部屋が売り切れていたはずだった。そのときはもちろん、やっぱりだめかあとすぐに諦めた。だが、今再度検索してみると「残りあと一部屋のみとなっております」と出たのには目をぱちくりさせてしまった。ええ~、そんなことってあるの!?と俄かには信じられないが、このチャンスを逃すまいと予約の手続きに進んだ。何だか不思議な話だが、結局はあちらのホテルとも連絡が取れたらしく、無事予約することができた。アパートだから、当然朝食のコーヒーやパンのサービスはないのが、少し寂しい。だが、パリのホテルの朝食が必ずしもその立派な料金に見合ったものではないと知っている私はそんなことは気にしない。

 さて、これで問題解決と思いきや、実はまだあって、ロンドンのホテルをキャンセルする必要があった。私が予約したホテルの確認書には「スタンダード シングル 共用バスルーム&トイレ」と書いてあった。また同じ間違いをしでかしてしまった。こちらも、英語で書いてある予約確認書を見てみると、「Shared toilet ,Shared bathroom」とあるので、共同であることに間違いはなかった。代わりのホテルを見つけなければならなかった。だが、幸いにもロンドンのホテルにはまだ余裕があって、選べる自由が与えられていた。問題はロケーションがよくて、この場合はユーロスターが発着するキングクロス駅に近い場所で、交通の便が良く、大英博物館に歩いて行こうと思えば行ける距離にある、そんなホテルが理想だった。

 手ごろな値段のホテルがいくつもあるが、問題は口コミ評価を表わす星印の数字が同等と思われるホテルでありながら違うことだった。同じようなロケーションでありながら6.0だったり、あるいは7.8だったりすることにすることに戸惑った。正直いうと、これまでホテルを選ぶのにあたって、口コミを当てにしたことはなくて、それだからこそ数々の悲惨な目に遭って来たのかもしれない。そんなことを今だからこそ思う。いつになく、口コミを片っ端から読んで見ると、あるホテルについてはこんな記述があって驚かされた。「部屋が地下にあったのですが、一泊だったので我慢しました」とか「部屋が地下なのはなぜかと尋ねたら、一泊の人は皆地下に泊まることになっていると言われました」だなんて、とても信じられなかった。

 いずれにせよ、人によっては感じ方も十人十色で、最高級ホテルに泊まるのでもない限り、これくらいなら許せるという妥協をしなければならないのも事実だ。私は幸いにも自分の身の丈に合った、狭いながらも快適で?ロケーションのいいホテルを予約することができた。と言っても、実際現地に行って見なければわからないが、その時は片目をつぶろうと思う。

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