人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

フライト予約でまたもや戸惑う

eチケットが来ない、電話するしかないと思ったら

 今回もコロナ前と同様に、パリから入って、マドリードから帰国することにした。サンセバスチャンから、朝一番の列車に乗れば、明るいうちにマドリードのアトーチャ―駅に着くことができる。初めて行った時は、駅構内に植物園が出現していて、皆どこか寛いでいるように見えたので、大いに戸惑った。さらに、この駅はヨーロッパの主要駅とはどこか違っていて、出口がいくつもあったせいか、駅前にも関わらず、自分の居場所がすぐには分からなかった。一瞬途方にくれたが、ウロウロしている間にやっとこさ自分が今どこにいるかがわかった、問題児ともいえる駅だった。

 今回私はまたその駅近くにホテルを見つけようとしたが、またもや、宿泊サイトに「この地区のホテルの80%は予約不能になっています」と警告が出ていた。まさに”ブルータス、お前もか”の呆れた気分に陥り、すぐに駅前にある良さそうで、リーズナブルなホテルを探そうという希望を手放した。「あなたにもはや選択肢などないのです。それに早くしないと泊まるところが無くなってしまいますよ。とりあえず、キャンセル無料の適当なホテルを押さえておくことです」と脅迫されているようなものだった。そんなことになったら、どうしようと焦りまくり、検索しまくるが駅に近いホテルは見つからない。

 前回書いたように、画面に表示されるホテルは皆料金が馬鹿高いホテルばかりで、まともなホテルはなかなか見つからなかった。だが、幸運なことに、私の予算内に収まる料金のホテルが見つかった。もちろん駅前ではなく、駅から歩いて30分いや、もっとかかるかもしれない場所にあるホテルだが、地下鉄でも行ける。以前地下鉄に乗ってみてわかったが、スペインの主要都市にある地下鉄は安全で日本と何ら変わりない。今回は大いに譲歩しなければならないホテル選びだが、歩いて行ける距離に空港に行くバス乗り場があるのがせめてもの幸いだ。

 とりあえず、パリ、ロンドン、サンセバスチャン、マドリードとすべてのホテル予約をどうにかこうにか済ませた。順番が逆になったが、次にすべきは航空券の予約で、旅の日程は銀行の預金通帳の残高とホテルの宿泊事情によって決められたようなものだ。最初私は、行く先々のホテルが満室だと言うのだから、さぞかし飛行機の座席も埋まっているのだとばかり思っていた。だが、フライトの座席表を見たら、そんな思いはすぐに吹っ飛んだ。どうなっているの?と訝しく思うくらいガラガラで、予約されている席はひとつもなかった。こんな座席表は今まで見たことがなかったので、何度も見返してしまった。

 もちろん、座席を指定しなければ、追加料金は発生しない。だが、それだと何かと不便で困ったことになるのは目に見えている。例えば、機内でトイレに行く場合、いやそうでなくてもエコノミークラス症候群を防ぐために身体を動かす必要があるので、通路側を選択するようにしている。実際その方が気が楽で、機内で快適に過ごせる。私は今回、往復の4回のフライトで4つの座席を選択肢したら、料金は3万6千円になった。航空運賃は往復で25万円ほどなので、合計額を見てみると、以前よりも10万円ほど高いことになる。正直言って、私も一瞬この金額には躊躇したが、様々な事情を考えれば、納得せざるを得ない料金だ。なので、以前と同じ感覚では、ホテルを選ぶわけにはいかないので、そこでできるだけルーズなブルな宿泊施設を選ぼうと考えたが、甘かった。選択肢など与えられていなかった。

 さて、4年ぶりのフライト予約をしたわけだが、信じられないくらいまごついた。以前とは予約の画面が変わっていて、座席選択を飛ばして、予約確認をOKにしようとしてしまう。慌てて、キャンセルし、また目的地選択の最初の画面からやり直すと言うことをくり返した。予約確認をして、いざ支払いに進もうとすると、以前にはなかった認証画面が現れた。そこではクレジットカードのWEBサービスでのIDの番号を入力することになっていたが、悲しいことに番号を覚えていない。要するに、パソコンの「IDとパスワードを保存しますか」というサービスを利用しているので、いちいち、IDの番号やパスワードを記憶していない。それに毎月のカードの金額を確認するのにも、簡単に出来てしまうのでなおさらだった。

 突然、IDの番号を聞かれても、狼狽えるばかりで、急いで、押し入れをひっくり返して書類の入った封筒を捜し出した。これで大丈夫と自信満々で入力したのに、「番号が間違っています」と出るので、何で!?と憤慨した。だが、よく考えてみると、自分で直接、IDとパスワードを入力してログインしたことなど最近はなかった。そのことが原因で、IDが認識されないのかもしれないと思って、自分で最初からログインしてみた。その後で、フライト予約をやり直してみると、何のことはないちゃんとIDは認識されたのある。さらに、IDがOKになったら、次はパスワードの入力を求められた。どうやら昨今はクレジットカードの決済は二次認証が主流のようなのだ。

 いろいろ紆余曲折はあったが、航空券は予約できたのでほっと胸を撫でおろした。その後、いつものように「あなたの予約番号は○○です」とメールが届いたが、続いて送られてくるはずの、肝心のe-チケットがいつまでたっても来なかった。明日はカスタマーセンターに連絡しなきゃとめんどくさい気持ちに駆られながら、布団に入った。翌日、朝起きて期待などしなかったが、一応メールソフトを見てみることにした。そしたらなんと、ちゃんと届いていたので、寝ぼけ眼が一瞬にして解消された。時刻は前日の23:24だったので、ありえない事態に首をかしげるばかりだ。できる事なら、もっと早く送ってくださることはできなかったのでしょうか、とひとこと言ってやりたくなった。

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