人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

カレーパーティー

あれとあれよという間に、世界は広がる

 昨日、NHKの夜ドラ『作りたい女と食べたい女』を見ていて、思いがけない展開に面食らった。なんと、野本さんがSNSで知り合った女性とホームパーティをしようと春日さんに提案したからだ。春日さんも「それはいいですね」と大いに乗り気で、律儀な春日さんらしく、お隣の南雲さんも誘うことになった。正直言って、南雲さんはあまり関係ないと思うのだが、それでも春日さんは「野本さんとこうなったのは、元はと言えば、南雲さんのおかげですから」と譲らない。南雲さんが「私なんかが、参加していいのですかねえ」と躊躇すると、「そんなことないですよ」と強く勧めて来る。それでも「そうなると、食事することになって、どうすればいいのですかねえ」とまだ不安な様子だった。春日さんは相手の方に事情を話せば済むことですからと説得し、また、どうやら南雲さんも行きたい気持ちの方が強かったようだ。

 今まで、絶対に笑顔を見せることがなく、感情が表に出なかった春日さんが今回から時折笑顔を見せるようになった。初回からずうっとドラマを見てきて、春日さんが野本さんと一緒に居て、果たして楽しいのかどうかも分からなかった。春日さんは野本さんに誘われるままに、野本さんが作った料理をそれはそれは気持ちいい程に平らげる。「ご馳走様でした。美味しかったです」と満足そうに言うだけだった。なので、野本さんは自分の片思いに違いないとずうっとそう思っていた。

 おそらく、南雲さんの「お二人は付き合っているんですか」の一言がなかったら、果たして二人はこんなに早くカップルになっていただろうか。どう考えても、否である。ただ、意外だったのは、人づきあいが苦手だとばかり思っていた、春日さんが社交的な性格だったことだ。ふつう、引越してきたばかりで、2,3回しか話したことがない相手に、いくらなんでもプライベートなことを相談できるものだろうか。まずはそのとんでもない行動力にびっくりしたが、よく考えてみると、春日さんの軽いフットワークが二人を結び付けたことも確かだ。

 南雲さんが今どんな心理状態なのか、ドラマでは明かされないが、とにかく暗い洞穴から抜け出すための一筋の光は見えているはずだ。それは言うまでもなく、春日さんのおかげなのだ。ホームパーティの帰りに、「不安だったけど、来てよかった。とても楽しかった」と南雲さんは春日さんに感謝する。

 さて、ホームパーティーSNSで知り合った女性の家で行われた。3人それぞれ各自お土産を持っていく。野本さんはなんと発酵させたナンの生地を大きなボールごと持ってきた。ええ~!?それをどうするかって?その生地を薄くのばして、形を整え、フライパンで焼くだけで、ナンが出来上がる。そもそも、ナンって、自分の家で焼けるものなのか、という疑問がたちまち吹っ飛んだ。あれはどこの街角にでもあるナンの店で食べる物ではなかったのかと、私などはステレオタイプの考えしか思い浮かばない。自分で作れるのだ、ということを初めて知った。とは言っても、「では、早速作ってみよう」と一発奮起するまでの距離には隔たりがありすぎるが。

 それから、ラッシー、これは南雲さんが、スーパーで、材料を買ってきてくれた。ラッシーと言えば、あの甘酸っぱさが何とも言えない飲み物だが、これも簡単に作れるということが分かった。牛乳とヨーグルトを1対1の割合で混ぜて、レモン汁を垂らすだけで出来上がる。もちろん甘味は砂糖で好みの味に調節できる。

 肝心のカレーは、SNSで知り合った女性が、何種類ものレトルトカレーを用意してくれていた。普段から、食べ比べをしたいとずうっと思っていたらしい。そのカレーを焼き立てのナンに乗せて、口に頬ばると皆口々に「美味しいね」と言い合う。そんな楽しそうな様子を見ていると、皆で何かを作って食べるという行為がどれだけ人を幸せな気持ちにするかということに気付かされる。別にそれが特別なものでなくていい、材料が豪華でなくても構わないということに。

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