人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

保険の内容を知ったら新たな希望が

これで、安心してお金を使える?

 最近知人の桐原さんが保険の窓口で、死亡保険の手続きをしたことは以前のブログで既述した。その際応対してくれたのが、店長の島田さんという若い男性で、去年の7月に赴任したばかりだと言う。その彼が驚いたのが、中国人のマナーの劣悪さだった。保険の窓口の店舗は駅から5分という立地の良さなのに、その駅前の酷さと言ったら思わず顔をしかめるほどだ。最寄りの駅ビルの前には喫煙スペースが設けられているが、そこを利用する人の中でも特に目立つのは中国人だ。彼らはタバコを吸ったら、その場でポイと捨てるし、飲み物だって、飲んだら飲みっぱなしだ。島田さんは最初彼らの行動を目撃した時は物凄く衝撃を受けたし、今でもなお信じられない気持ちでいっぱいだと言う。そして、極め付きは「中国人って、自国でもああいうことをしているんでしょうか」という答えの出ない問いかけで、これには桐原さん夫妻も絶句した。

 自分の勤務する店舗がそんな地域にあることを日々憂いている島田さんが契約の後、桐原さんに尋ねた。「あなた自身は何か保険に入っていますか」。そう聞かれて、桐原さんは自分が死亡保険金が1千万円おりる保険に入っていると答えたものの、全くその保険には興味がなかった。なぜなら、その保険は自分が死なない限り、お金が受け取れない何の役にも立たない保険だったからだ。自分が生きているうちには使うこともできないのだから、自然と関心がなくなってしまうのは当然だった。再三の保険会社の見直しのお知らせを無視し続けていた。ただ、桐原さんは自分が死んだら、1千万円のお金がおりるのだから、今自分が貰っている年金はすべて使い切ろうと思っていた。年金を使い切ってもあの保険金があるから、自分の葬式代ぐらいはそれで何とかなるだろうし、それどころかお釣りがくるだろうから、誰にも迷惑はかけないはずだ。

 実を言うと、桐原さんは30年以上も前に契約したその保険の証書をよく読んでみたことなどなかった。だが、「もう支払いが終わっているのに、1年に1回は1万円くらいの支払いをする必要があるんです」と島田さんにふと漏らしたことで、改めて、保険証書を確認する機会が与えられたのである。はっきり言って、島田さんには何のメリットもないことだが、桐原さんにとっては予想外の希望の光だった。つまり、保険証書には解約時の払戻金の額が表示されていて、30年後は500万円、40年後は600万円などと書かれていた。となると、もし生きているうちに老後の生活資金が足りなくなった場合には、保険を解約してお金を受け取ることもできる。世間では老後に2千万円必要だなどと言われているが、桐原さんはそんな大金は持っていなかった。だが、お金に困ったら、その払戻金を使えばいいと考えただけで、根拠のない不安が少し消えた気がした。

 考えてみると、年金生活になったら、2千万円あったとしても、まだまだ足りないと思うのが人の常だ。多ければ多いほど安心できるが、たとえ、あり余るくらいのお金を持っていたとしても、1円だって減るのは不安でやりきれないと想像できる。銀行の通帳を眺めながら、これだけあるのかと悦に入る反面、一旦減り始めたら、不安で夜も眠れなくなり、どうにかなってしまいそうだ、もしも私だったらの話だが。

 最近は、パソコンを立ち上げ、ヤフーのサイトを開くと、必ず目に付くのは年金だけでは足らなくなりそうです。どうしたらいいですか」という投稿の数々。そんな切実な声にファイナンシャルプランナーが現実的な数字でもって相談に乗ってくれるのだが、結論は決まっている。何も専門家に相談しなくても、とりあえずは足りない分を働くしかないのは素人でも分かる。それで、働いても、いや、それで何とかなっても、今度は働けなくなったらどうすればいいのか。その場合も、入っている保険を取り崩すとか、あるいは持ち家を担保にして生活資金を借りると言う方向に落ち着く。最後の手段は言うまでもなく生活保護に頼るしかない。どうやらそう言うことで、専門家と言えども、秘策と言うか素晴らしい考えは持ち合わせていないのが現実らしい。わかってはいるががっかりである。

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