人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

コロッケ

以前はよく作ったのに、今はとんと御縁がない

 前回のブログで書いた、24個入りのタコ焼き器、試しにネットで検索してみたら、ちゃんとあった。プレートが取り外しができて、丸ごと洗えると知って、ますます食指が動いた。近いうちに購入する気満々だ。7月に実家で法事があるので、早速送り付けて、義姉のミチコさんと”たこ焼き”パーティーをしようと企んでいる。まだ本人には伝えてはいないが、どんな反応をするのか楽しみだ。 

 さて、NHKの夜ドラ『作りたい女と食べたい女』がとうとう終わってしまった。野本さんと春日さんは一緒に住む新しい部屋を見つけ、二人が出会った思い出の部屋を引き払う。最後の晩餐ではないが、野本さんが「少し手が込んだものを作ろうと思うの」と選んだのはコロッケだった。玉ねぎとひき肉が入った定番のコロッケとカニクリームコロッケの2種類を春日さんのためにそれこそエベレストのごとく、山盛りに作る。あれは、下ごしらえが少々、いや物凄く、面倒臭いが、油で揚げてしまえば、あれほど楽なものはない。時間の余裕があるときは以前はよく作った。私の場合は、じゃがいもに玉ねぎとハムのみじん切りを炒めたものを入れたコロッケで、不思議なことに、とろっとした食感があった。それはたぶん、その時に使うじゃがいもによって、何らかの化学変化が起こってクリーミーになるのだろうが、未だにその魔法の正体はわからずじまいだ。

 クリームコロッケに至っては、ずるをして、シチューの素をそのまま使って、冷凍して、コロッケにしたこともあるが、リピートした覚えがないので、不発に終わったのだろう。そう言えば、最近はスーパーのお惣菜売り場でコロッケを見かけなくなった。皆が買わなくなったせいなのだろうか。もっともあれは家で作った方がどう見ても、安上がりだから、需要が無くなったとみる方が正しいようだ。ドラマでてんこ盛りのコロッケを見ても、それでは、早速作ろうか、とならないのは、どうしたことか。それはもはや私は昔の私ではないからで、遠目から、野本さんが作った美味しそうなコロッケを眺めるだけで満足している。沸々と食べた~いという欲求が湧いてこないのだから、どうしようもない。

 最終回だからか、それとも、一緒に住むことになったせいか、野本さんと春日さんの関係にも大いに変化があった。これまで、二人は料理を作って、一緒に食べて至福の時間を共に過ごしてきた。私から見れば、二人は恋人同士になってからも、サラッとした関係で、料理が二人の間を繋いでいた。そう、作って食べる、そう言うなにげない時間があったからこそ、私はこのドラマを見続けることができた。普通の恋愛ドラマはつまらなくて、苦手で見ようとも思わない私でも面白がって最後まで見てしまった。もちろん、二人がこれからどうなるかも興味津々だったが、それ以上に次はどんなものを作るのだろうかという方が気になった。二人が作って食べて、幸せそうにしている様子を見ているだけで、幸福感が伝染でもするかの如く暫し見とれてしまった。

 ところが、野本さんはやはりそれだけでは嫌なのだ。要するに、世の中の異性カップルのように、相手に触れたいと言う欲求は抑えきれないらしい。まあ、それは人間としては、自然な摂理なので、私がどうこう言うことではないのはわかっている。野本さんは春日さんに「ハグとか、キスとかってどう思う」と尋ね、それが嫌かどうか確かめようとする。すると、春日さんはいつもと変わることなく「これから、少しずつ試していきましょう」と答えて野本さんの期待を裏切らない。

 かくして、二人はぎこちないながらも初ハグも初キスも無事済ませる。となると、これからは異性カップルのように、どんどん突き進むのみだ。今の二人はまさに”お熱いカップル”と言っても過言ではない。そこには当然他人のことなど考える隙間はない。ここで言う他人とは二人のお隣さんだった南雲さんのことで、彼女は彼女なりに再就職に向けて動き出した。

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