フランスの田舎に憧れて、小さな村に行くことに?
知人は子供の頃からフランスに憧れていたので、NHKのフランス語講座を聞いていました。
ある日、テキストの巻末の記事を読んでいて、フランスの誰も知らないような小さな村に興味を持ったのです。
そこはVers(ベール)という地図にも載っていないような村で、パンフレットを取り寄せてみると、「緑に囲まれた中に真っ青なプール」があるホテルに一目ぼれしました。
『すばらしい場所」と言うイメージが彼女の頭の中にできあがり、さらに、あの有名なラスコー洞窟には、バスで行ける距離にあるということが決定的な理由になりました。
残念ながら、結果的にはラスコー洞窟には行けなかったのですが。
娘さんがプールで泳ぐのに熱中し、どうしても行くのを嫌がったからだそうです。
あとで知ったのですが、そのころにはすでに洞窟は閉鎖されていて、見学はできなかったのです。
観光客による滞在で、吐息に含まれる二酸化炭素だけでも、剥落(はくらく)や変色が進むので保護のためなのです。
山奥ののどかな村でタクシーに騙される!
鉄道駅に着いたとき、ホテルに行くバスはすでにありませんでした。
正確に言うと、バスの時間が午後6時までなのを知らず、外があまりにも暑いのでバスを待てなかったからです。
バスがないので、考えられる交通手段はタクシーのみです。
あたりもだいぶ暗くなって来たので、仕方ないのでちょうど泊まっていたタクシーに乗りました。
これから大変なことになるとは、夢にも思わなかったそうですが、結果的に騙されてるしまうのです。
バスで二つ目のバス停にあるホテルに行くのに、なんと一時間近くもかかるとは!
もうすぐ着くだろう、と思っていたら、いつまでたっても着かないので、不安で疲れ切ってしまいます。
でも、運転手は不安でいっぱいのお客にはおかまいなしです。
自分の庭のような山の中を、グルグル回って時間稼ぎをし、彼女は30ユーロも取られてしまいました。
帰りのバスに乗ったら、なんとたった10分しかかかりませんでした。
あんなに陽気で人のよさそうな運転手が,平気で人を騙し、最後には握手まで求めてくるなんて、信じられないことです。
自分の名刺までくれたそうですが、早く忘れたかったので当然すぐに捨てました。
「外国人はわからないなあ、到底理解できないなあ」と異文化にショックを受けました。
大都会のパリでも、人々は自分から求めればですが、親切だったのに、あんな静かな田舎で騙されるなんて思わなかっただけに衝撃が大きかっただけなんです。
今の彼女は「この経験を高い授業料を払ったと思う」と軽く笑い、「現地の言葉でちゃんと文句をいわなきゃダメ」と打たれ強くなっています。
mikonacolon