人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

ソフトクリームのコーンの秘密

ソフトクリームの謎が解けた、なぜコーンなのか

 昨日の新聞のコラムで見つけたのは、なぜアイスクリームはコーンに入っているのかという話だった。おかげで、アイスがあのカリカリしたトウモロコシ?の粉で作られたような三角の入れ物に入っている、その謎が解けた。コラムによると、「ソフトクリームでおなじみのアイスとコーンの組み合わせが生まれたのは1904年、米国のセントルイスで開催された万国博覧会でのこと」に起因する。万博に出店していたアイスクリーム屋は大繁盛し、アイスを入れる紙皿が無くなってしまった。

 その時困り果てたアイスクリーム屋に手を差し伸べたのが、隣のワッフル屋さんだった。こちらの店はあまり売れていなかった。それで紙皿の代わりにうちのワッフルを巻いて売ったらどうかと申し出たのだ。早速試してみると、入れ物まで食べられると大評判になった。コラムでは「見知らぬもの同士が手を取り合って問題を解決する」というまさにお手本みたいな話で、「ソフトクリームには知恵と助け合いの心が溶け込んでいるらしい」と綴られている。

 このコラムを読んで、「へえ~。そうだったのか」と少し驚いた。アイスのコーンにそんな秘話が隠されていたことを知って、そんなアイデアをどうして思いつくのとそのワッフル屋さんに感心してしまう。よく”必要は発明の母”というが、困っている時こそ人間は持っている能力を発揮するのだと痛感する。ワッフルにアイスの組み合わせは当時からすれば、邪道だったのではとも思う。なぜならワッフルは出来立てはアツアツだから、アイスがたちまちにうちに溶けてしまうのではないか。おそらく、売れ残っているワッフルはもう冷たくなっていて、だからこそワッフル屋さんはうちのを使えばいいと申し出たのではないだろうか。

 ただ、現代においては暖かいワッフルに冷たいアイスを乗せてたべるのは、大いにありなのだから何の問題もない。そんなことを考えていたら、これまで食べたアイスクリームの思い出がだんだんと蘇ってきた。初めて食べた本格的なアイスはイタリアのジェラートで、それを目当てに訪れたようなものだ。バニラ、ストロベリー、バナナと何種類ものフレーバーが並ぶ店先でショーケースのアイスを眺めていたら、選ぶのに困り果てた。すると、隣に居た友達が、「こういう時は売れているもの、できれば残り少なくなっている物を選べば、間違いない」とアドバイスをくれた。

 その言葉に素直に従って、選んだのはストロベリーで、見るからに美味しそうな赤いソースが私を誘っていた。それにイチゴのあのつぶつぶの黒い点が無数に入っていた。果実が丸ごと入っているアイスを食べるのは初めてなので、どんな味がするのかドキドキした。一口食べてみると、本物のイチゴを食べているかのような、甘酸っぱい果汁が口の中に溢れた。まさに完熟のイチゴとアイスクリームを一緒に食べているかのような感覚に陥った。これがイタリアのジェラートなんだ!と物凄く感動した経験だった。美味しさも至上だが、値段もひとつ500円以上もして目の玉がびっくりした。でも、値段が高いのどうのこうのなんて言っている場合ではない。そんなバカげたことを言って、旅の最中の楽しみに水を差すのは愚かとしか言いようがない。今は非日常なのだと頭を切り替える。お金よりも未知の物を体験するのが最優先だった。

 これまで生きてきて、一番印象に残っているアイスは極寒のロシアで食べたアイスだ。それも街角で可愛いお姉さんが売っている高級アイスではなくて、人の好さそうなおばさんが細々とやっている駅の売店のアイス。おばさんは駅に買いに来る人たちにかいがいしく応対してくれる。カップ麺を買った人にお湯を入れてあげたり、コーヒーを注文した人には席まで運んであげる。その時の私たちは「こんな時にアイスでもないでしょう」と言いながら、それでもアイスが食べたくなった。売店においてあるアイスクリームのケースをのぞき込んでいたら、日本では見たこともないようなカラフルなパッケージを見つけた。好奇心をそそられて、まさかスルーするわけにもいかない。テレビでお馴染みの林先生ではないけれど、まさに”今でしょう”なのだった。

 私たちは躊躇なくケースの扉を空けて、なるべくならと、バニラアイスらしきパッケージのアイスを選んだ。せいぜい日本円で100円ほどのアイスなのだが、味は天にも昇るような美味しさで最高だった。友だちと私の第一声は「何これ!?」で雷に打たれたような衝撃を受けてしまった。生まれて初めて、こんなに濃厚でまろやか、トロトロのアイスを食べたからだ。

 

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