人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

ホテル・マリアンヌ

こんな最低最悪のホテル、見たことない

 運が悪ければ、いっこうに来ないバスをひたすら待つ運命だったが、私はやっぱりついてる人だった。オペラ座の前でタクシー乗り場を見つけて、万々歳で、スマートにホテルまで乗せてもらった。払ったタクシー代は10ユーロで、日本円にすると、1600円ぐらいだから、まあ普通で高くもない。良心的な値段だ。サンジェルマン・デ・プレ教会のバス停から近いジャコブ通りにあるホテルを予約した。このホテルは普通のホテルなら2日分に当たる料金だったが、どうも様子がおかしい。宿泊サイトでは、口コミで「お庭が美しくて、素晴らしい」だの、「朝食がとても美味しい」だのと、褒め殺しのようなことが書いてあったが、いざ、蓋を開けてみれば、何のことはない。一体全体、美しい庭はどこにあるのだろうと言うような体たらくで、実際は庭などなかった。結局は口コミの褒め言葉など参考にせずに、辛口の評価を頼りにした方がいいのかもしれない。ただ、パリのホテルに関して言えば、欲を言ったらキリがない。高いホテルに泊まったとしても、朝食のパンがいったいいつのやらと疑うこともあった。要するに、あまり期待してはいけないのである。

 そういうものだとわかってはいても、やはり、あまりのひどさに一言愚痴を言わずにはいられない。これから書くことはすべて悪口なので、ホテルの実名を出すのは気が引けるので、まあ、「ホテル・マリアンヌ」とでもしておこう。マリアンヌのロケーションは実に素晴らしい。少し歩けばセーヌ河畔にでられるし、ルーブルやオルセーに歩いて行ける。私は乗らないが、地下鉄駅もすぐ近くにあるので、何処にでも行けて物凄く便利だ。だとしても、ホテルの部屋に関して言えば、最低最悪だった。部屋は広めだが、入口にトイレがあって、奥にバスルームがあるだなんて、いったいどういうことなのだろう。トイレから出たはいいが、手洗いの場所がないので、いちいち奥まで走って行かなければならない。

 それから、冷蔵庫は無いのはまあ許せるとしても、ポットなし、水も1本だけ、コーヒー、紅茶のステックもない。部屋の値段からして、この状況はあり得ない。かろうじて、コーヒーカップぐらいはあったのだろうか、よく思い出せないが、そうでなければ、スーパーでカップを買っていたはずだ。この時の私は体調が絶不調で、しかも慣れない機内泊で疲労困憊の最低最悪の状態、だからこそ、せめてホテルでゆっくりしようと思っていたのだが、考えが甘かった。落胆状態でしばらくは動けなかったが、こうしてはいられないと気持ちを切り替えた。ペットボトルの水がたった1本では、たとえ、一泊であっても過ごせない、どう考えても足りない。日本から持ってきた炊飯器でご飯を炊こうとしていたし、水道水は飲めないのだから、水を買う必要があった。

 あらかじめ、調べて置いたモノプリというスーパーをサンジェルマン教会のあたりで探すがなかなか見つからない。当たり前のことだが、地図で見るのと、現地とでは状況が違いすぎる。大通り沿いにあるとばかり思っていたら、実際は少し脇道の方にズレていたりした。それでも、何とか見つけて、水や果物、コーラなどの必要なものを買った。実を言うと、パリのスーパーに行くのは10年ぶりぐらいで、ほとんど行っていなかった。要するに、自分が欲しい物がないので、行っても仕方がない場所だと思っていた。久しぶりに行って見ると、やはり買うものがなかった。例えば、すぐに食べられるサラダやチキンなどの惣菜は、ほとんど試してみたが、私には合わないことに気が付いてしまっていたから。

 ホテルの部屋に帰ると、早速買って来た水で炊飯器でお米を炊いた。なぜ、すぐに炊飯なのかと言うと、まだ使ったことのない変圧器を急いで試したかったから。20年ぐらい愛用した変圧器は4年前にサンクトペテルブルグのプルコヴァ空港で没収されてしまったからだった。出発前、ネットで購入した電子レンジが壊れていたので、もしかしたら、変圧器も・・・だなんて、物凄く心配になった。有難いことに、変圧器は正常に動いてくれて、私の心配は杞憂に終わった。今回は出発前にトラブル続きで、疑心暗鬼にならざるを得なかったが、現実はそう悪いことばかりでもないとつくづく思う。

 だが、この後、ある問題が起った。それに関しては明日のプログで書くことにしよう。

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