人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

高級チョコレート店でトイレを借りる

突然の生理的欲求にどうする?

 旅行から帰ってきて、1週間ほど経とうとしているが、どうも疲れが抜けない。それで、今日は早朝散歩をサボって朝寝をしてみた。少しは効果があるかなと期待したが、いまひとつ実感できない。身体が痛いなあと感じて、サボることにしたのに、これでは何にもならなかった。やはり、いつもの習慣に従う方が正解だとつくづく思う。

 さて、昨日書いたブログの続きだが、バスがオペラ座に着いた時、安心したのか、急に生理的欲求を覚えた。だが、いったいどこで用を足せばいいのかわからない。本当ならすぐにタクシーか、バス停を探さなければならないのに、その前にどこか店を、例えば、カフェのような気軽に入れる店を探してトイレを借りなければならない。異邦人の私にはどこに何があるのかさえも分からないので、とにかくうろうろするしかないが、こんな時に限って、カフェが目につかない。だが、幸運なことに、ある店に人が2,3人入っていくのが見えた。そこはカフェではないが、中ではお茶も飲めるようになっている高級チョコレート店だった。以前に名前だけは聞いたことがある、Rintdzで、たぶん読み方はリンツだろうと推測するのだが、とにかくそこに入ってみた。

 店内には所狭しと高級チョコ菓子が並べられ、カウンターではお客さんがそれぞれお気に入りのものを注文していた。それが、コーヒーや紅茶などではなく、チョコレートを使ったケーキやアイスクリームなどで、見たことがない物ばかりだったので、少し戸惑った。要するに、こういう店で何を注文したらいいのか、さっぱりわからなかった。それで、私は皆が何を注文するのか興味津々で観察していたのだが、やはりトイレが気になるので、そわそわしていた。そんな私に店員さんたちが次々と「ボンジュール、マダム」と声をかけて挨拶をしてくれるのだが、その中で最後の店員さんだけは違っていた。彼は私が何をしたいのか、何を探しているのか、察してくれていた。

 私を見るなり、すぐに「マダム、化粧室をお探しですか。こちらですよ」と案内してくれた。なんともできた店員さんである。彼の一言で、私は天にも昇るような気持になったが、やはり何を買ったらいいのかわからなかった。トイレを済ませると、私はそそくさと店を出てしまった。なぜなら、カウンターにあるケースをみたら、小さなチョコレートケーキがあって、その値段を見て仰天した。なんと8.5ユーロで日本円にしたら、1ユーロ157円だとしても1200円以上もする。ああ、ここは私などは及びでない場所だと痛感した。さぞかし美味しいだろうとは想像できるが、なんとも落ち着かないので逃げるしかない。現実に戻り、まずはサンジェルマンのホテルを目指すことにして、オペラ座の建物に向かって歩いた。

 それにしても、なぜあんな大事な場面で生理的欲求を覚えたのか、とつくづく思う。ありえないことだが、あの時のパリは暖かい日本と違って気温は15度以下で少し肌寒かった。おそらくそのせいだろうが、そのおかげで、普通なら絶対足を踏み入れないであろう場所、この時は高級チョコレート店に行けたことは貴重な経験だった。

 実は以前にもオペラ座で空港からのバスを降りたことがあるが、それは5年前でその時は本当にオペラ座の建物が目の前にあるのが夕方の薄暗い中でも分かった。だが、今回はその時とは全く違う場所のようで、5年前にこだわっても仕方ないのだが、変わってしまっていた。オペラ座でバスを降りたら、タクシーがベストだが、乗れなければ、市バスに乗ればいいと簡単に考えていた。だが、現地に来てみると、あんなに頻繁に走っていたバスは減便になり、時刻表を見ると、3時間おきでの時間表示に変わっていた。なので、バス停でバスを待つ人はほとんどいなかった。こんな状態では、あらかじめ印刷して置いたバス路線図は何の役にも立たなかった。

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