人生は旅

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イタリアではピザはひとり1枚が常識?

今週のお題「ピザ」

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ピザはみんなで食べるものとばかり

 いつの間にか、私の住んでいる地域から宅配ピザの店が無くなってしまいました。以前は店の前を通りかかると、「お持ち帰りは30%引き」などと宣伝文句が書いてあったものです。たしか、店の名前はピザハットで、いざ無くなってしまうとやたらと食べたくなります。あの宅配ピザの大きさだと、ひとりで食べるのは無理だとずうっと思っていたのです。ところが、ある日、私の思い込みが全くの間違いであることを思い知らされたのです。

 あれは、以前イタリアに旅行に行った時のことでした。まだ通貨がユーロではなくてリラの時代で、スーパーで物の値段を見たら日本の3分の1程度で驚きました。もちろん、ローマやフィレンツェも行きましたが、楽しみにしていたのはクールマユールにいってモンブランを見ることでした。ミラノから列車に乗ってアオスタに行きました。そこからクールマユールに行くバスが出ているからです。アオスタは見渡す限り山々に囲まれたのどかな町、というより静かな村でした。あの時は夏だったせいか登山客をよく見かけました。

ピザも大きくて食べきれない

 私たちの泊まっているホテルの近くには一軒のレストランがありました。田舎のレストランですから気軽に入れる雰囲気なので毎日通っていたのです。ある日いつものように店の前まで行ったら閉まっていました。昼休みと言うのがあって、私たちは行く時間が早すぎたらしいのです。「どうしよう、お腹空いているのに」と困っていると、中から一人の男性が顔を出しました。見たことがある顔で彼はお店の人でした。どうやら「入っていいですよ」と手招きしているようなのです。「ラッキー!」と喜んで、さっそくペンネのアラビアータとピザを注文しました。ここの店の料理はどれも量が多くて安いのです。私は友達と二人なのですが、「この量を全部食べらるかどうかわからない」と思いながら食べているのです。残すのはもったいないと頑張ったのです。でも「もう無理!」と諦めかけていたその時、レストランに7~8人のお客さんが入って来たのです。

みんなピザを完食したので、こちらは仰天するばかり

 こちらはもう食べるのをやめたので、彼らが何を注文するのか興味津々です。しばらくして、店員さんが大きなお皿に乗せたピザを運んできました。どうやら全員がピザを頼んだみたいで、小学生ぐらいの子供も2~3人いるのにひとり1枚づつピザを注文したのです。「ひえ~、ひとりであんな大きなピザを食べられるの?」と信じられず、彼らの様子を観察していました。どうなることかと見ていると、あっという間に平らげて、彼らはササッと帰って行きました。まさにお見事というしかありません。ここの人たちのことを、正直言って「すごいなあ!」と感心するばかりでした。日本人の胃袋とは全く別物の胃袋を持っているのだとしか考えられません。

ウィーンでも美女がバス停でピザを

 その後、ピザ1枚を一人で食べるのは普通のことなのだと納得する出来事がありました。シェーンブルン宮殿を見にウィーンに行ったとき、帰りの空港へのバス停を捜していた時のことです。地図を見ながら場所を探したのですが、どうしても見つかりません。ふと見ると近くに市バスのバス停があって、ひとりの女性がピザを食べていたのです。彼女は片手におなじみの宅配ピザのような箱を持ちながら、人目を気にすることなく堂々としているのです。周りを見回すと、バス停の向こう側にはピザ屋さんがあるのが見えます。なるべく時間がありそうな人がいいと思って、バス停を尋ねようと思ったのです。躊躇しながら近づいてみると、なんとものすごい美人でした。とかく美人と言うのは冷たくてとっつきにくいイメージがありますが、彼女は正反対でフレンドリーで親切な女性でした。どうやらバス停の場所は知らないらしく、普通はここまでで終わりなのです。ところが、彼女は違いました、市バスの運転手さんに聞いてくれると言うのです。なかなかわかりませんでした。だれも知らないようなのです。それでも諦めることなく場所を知っている運転手さんを見つけてくれました。彼女は私の救世主になったのです。

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