人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

日本人が英語を話せない理由

大西先生の鋭い指摘に目から鱗、でもすぐに納得

 NHKのラジオ講座の英語ではない、フランス語かなんかのテキストをパラパラ捲っていたら、巻末の広告のページにこんなフレーズを見つけた。それは『日本人が英語を話せないのは、話すための文法を知らないからです』という鋭い指摘の言葉。ラジオ英会話の講師を務める大西泰斗先生の著書の宣伝文句だった。以前の私なら、なんのこっちゃ!?とスル―するに違いないが、今の私はこの言葉に「そうなんだよねえ~」と深く頷く。一発奮起し、英会話の復習を始めて3カ月たった今の自分は、本当に何も知らなかったことに愕然としてしまう。だから、一でも二でもいいから、より多くのことをもっと知りたいと思う。それが今の英語学習のモチベーションに繋がっている。

 でも、よく考えると、私は本当の意味で自分の英語を何とかしたかったわけではなかった。要するに、海外旅行で困らない程度の会話力を身に着けたかっただけなのだ。コロナ禍の3年もの間に相当に錆びついて、どうしようもない英語力を何とか普通程度のレベルにしたかった。世間で言われるような旅行のための英会話で十分だと思っていた。ところが、いざラジオ英会話の復習を始めてみると、毎回目から鱗で発見の連続だった。長いことNHKの英会話の番組を聞いてきたが、今までどの先生からも教わったことがないことばかりだった。そして、すぐに気づいた、これじゃあ、英語を話せないのは無理もないなあと。

 例えば、動詞にingを付けて作る進行形は「~している」という意味だと学校でもラジオ講座でも教わった。でも、なんでもかんでも、いつでも「~している」で訳そうとすると、何のことやらわからなくなって無理がある。大西先生によると、なんと進行形が未来の予定を現わす使い方も有るので、「~している」だけで覚えていたら、進行形を使いこなすことはできないそうだ。例えば、He is having another wierd party . この文を訳すと、彼はまた奇妙なパーティーを開きます、となる。友だち同士なら、「彼がまた奇妙なパーティーを開くってさ」とでも言える。なぜ、この文が未来を現わすのかと言うと、another があるからで、実際の会話でネイティブはこの言い方を多用すると聞いてまた驚いた。anotherだなんて、当方にとっては馴染みのない、ピンとこない単語だが、使いこなせたら、ある意味便利な言葉だとわかって得した気分になった。それから、wierdという単語もネイティブは日常的に多用し、お馴染みのstrangeと同様の意味合いで使われる。そう言えば、中国の動画サイトのアイチーイーでドラマを英語字幕で見ていると、このwierdという単語をよく見かけることがある。

 最近ラジオ英会話の復習をしていて、胸にグサッと刺さった言葉がある。それは『英会話の基本はどれだけ頭の中に完成した英文が入っているかです』という大西先生のまさに究極の真実をついた言葉。先生の言葉の真意は、『実際の会話の場で単語や文法を考えて、ゆっくり文を作文することはできません。どれだけ考えずに、反射的に口にすることができる英文があるかが勝負なんです』と言うことだった。そのあと続けて『私の説明で納得したら、すぐに暗記、その癖をつけることによって、あなたの会話力は飛躍的に高まります』と頼もしい言葉をかけてくれている。ようやくわかった、頭に英文がなければ、会話のキャッチボールは成り立たないのだと。

 番組では必ず会話練習の時間があり、「発音してみましょう」と促されるので大きな声で何度も発音する。怠け者の私に「あとでやる」という意識はないので「今この時」とばかりに集中する。番組をディクテーションしたメモをすぐにノートに整理して、書き写し、自分なりのテキストを作っている。もちろん先生の言葉も一句一字書き漏らすことなく記録し、後で読み返す。自分でも意外なことに、勉強が楽しい。

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