人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

推しが英会話の番組にも登場して

 

ある日のダイアログは「推し」の話だった

 昨日朝井リョウさんの連載小説『イン・ザ・メガチャーチ』が新しく始まったと書いた。そのテーマは「推し」なのだが、それで思い出した、どこかでそんな話を聞いたことがあったのではないかと。そうだった、突然雷に打たれるかの如くやる気になった英語の勉強をしていた時、確かそんな話題になった。それは大西泰斗先生の『NHKラジオ英会話』で、あいさつの台本を勉強している時に「推し」のストーリーが出てきたのだ。その日のテーマは会いたかった人に、やっと出会えた場合にどう英語で表現したらいいのかと言うことだった。憧れの人に出会えて、天にも昇るような気持ちで胸がいっぱいで言葉が出ないかもしれない。でも言葉にしなければ、自分の気持ちは相手には伝わらない。ずうっと待ち望んでいた瞬間が訪れた時、誰だって自分の胸が高鳴る気持ちを相手に聞いてもらいたいのだ。

 推しがテーマのストーリーは、ゲイニーという男の子がファンミーティングでダイアナと出会うところから始まる。彼女は投稿動画で有名な女性で、とても人気があった。ゲイニーは彼女に会えるのを首を長くして待ち望んでいた。その際、彼がNice  to meet you.の次に使った表現はI’ve been looking foward to seeing you in person. (お会いできて嬉しいです。実際にお会いできるのを楽しみにしていました)で、現在完了進行形を使っていた。楽しみにしているという行為が過去から現在までずうっと継続している状態を現わしている。そのおかげで、どれだけ会える瞬間を待ち望んでいたかを相手に伝えることができていた。

 さらにゲイニーはYou don't know how much your videos help me.(あなたの動画がどれほど僕の役に立ってくれているか、伝えきれません)と相手が聞いたらそれこそ飛び上がって喜びそうなことを言って、最高の賛辞を相手に贈っている。彼はダイアナが投稿した動画はすべて見ていて、They are so inspiring and encouraging to me.(あなたの動画はどれも刺激的で勇気づけられます)と感謝もしている。ちなみにencourageという単語は「en」は入れる、で「encourage」は勇気、そこから”勇気を注入する”という意味になるそうだ。「en」が入れる、だなんて初めて知った私は目から鱗だった。よく使われる基本的な単語の意味を知ることは、英会話学習を今よりずうっと楽にしてくれると大西先生から学んだ。

 「推し」と出会えた時誰しも嬉しいのは当たり前で、でもその際、何か”もう一押し”が欲しいとは思いませんか。そんな提案をする、と言うかアドバイスをする大西先生は、現在完了進行形を使うことを勧めている。ずうっと会いたいと思っていたという熱烈な気持ちを表現するのには必須だと言いたいのだ。どう見ても、定番のI'm glad to see you.では、これではなんかおざなりで弱すぎる。自分の気持ちと口から出る英文の意味するニュアンスに落差がありすぎて、後から考えてみたら、欲求不満になりそうだ。全然自分の気持ちを伝えきれていないことに愕然としてしまうだろう。

 ここまで書いてきて、分かったことがある。英会話を学ぶ上で、何が一番大事かというと、それは相手に自分の言いたいことを伝えることだ。この「伝える」という行為のために、一番しっくりくる表現を学ぶこと、これに尽きると思う。実際ネイティブと私の頭の中で飛び交う英語は全く別物で、これでは聞き取りなどできるわけもない。要するに思考の回路が違うのだから、彼らが多用するが、私が知らない単語はもちろんのこと、考え方の仕組みまで学ぶ必要があるとつくづく思う。

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