今週のお題「わたしのイチ押しアイス」
幻のアイスに出会えたホテル
以前ロシアに行った時のお話です。3月上旬に成田からヘルシンキを経由してロシアのサンクトペテルブルグのプルコヴァ空港に着きました。そしたら外はあたり一面の雪景色で、寒さも半端ではありませんでした。さっそくスニーカーからブーツに履き替えて、市内へと向かうバスに乗り込みます。まだこのときはロシアが乳製品が美味しいことで有名なのを知りませんでしたし、まさかアイスが食べたくなるなんて夢にも思いませんでした。
それを身をもって体験したのは夜行寝台列車に乗ってモスクワに行ってからです。当時のロシアはルーブル高でモスクワ市内のふつうのホテルは1泊3~4万円でした。もし3泊もするとなると10万円を超えてしまいます。それで中心から少し離れた地下鉄のボタニカル・サート駅から歩いて15分のところにあるホテルにしました。駅から出るとそこはもう公園でいろいろな露店が立ち並び、買い物をして帰れるようになっています。ホテルの名前はツーリストでそこに泊まったからこそ「幻のアイス」に出会えたのです。
アイスが食べたくなる部屋
部屋に入ってすぐに暑くなってしまい、娘と私はたまらずにTシャツ姿になってしまいました。そのとき泊まった部屋はまるで南国のように暑かったのです。外のものすごい寒さを忘れて、二人とも同時に「アイスが食べたい!」と叫んでしまいました。抑えきれない欲求を満たそうと、さっそくアイスを買いに駅まで早足で急ぎます。アイスのショーケースを覗いてみると、こちらの人はチョコレートの味が好きなようでバニラの種類があまりないのです。それで唯一あったバニラのソフトクリームをふたつ買って帰でりました。
とろとろで濃厚で激うま
日本でいう100円アイスのソフトクリームですが、味は雲泥の差がありました。一口食べた瞬間、「ええ~、なにこれ?」と独り言が出るくらい、とろとろで濃厚で後味に癖がないのです。生まれて初めての味に興奮して、それからやみつきになってしまい、旅行中はずっとアイスを探していました。とろとろアイスを具体的に説明すると、オハヨー乳業から出ている「ジャージー牛乳プリン」のアイスバージョンで、もっと濃厚で美味しくしたものです。なぜ幻のアイスかと言うと、いくら探しても同じアイスは見つけられないからなのです。あれから1年後現地に行って買ってみたのですが、見かけは同じでもやはり味が全然違うのです。
寒くてもアイス
わたしが最後に幻のアイスを食べたのは、ロシアの黄金の環のなかのひとつのセルギエフ・ポサードでした。鉄道駅の売店で、みんながカップラーメンを買って店のおばさんにお湯を入れてもらって食べています。それを横目に私たちはひたすらアイスを食べ続けました、寒さなど気にせずに。田舎の売店なので、一応テーブルとイスはあるのですがさすがに暖房はなかったようです。寒くてもアイスはおいしいのです。
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