人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

パリでの第一日目の誤算

疲れてしまって、やるべき下見も出来ない

 昨日のブログで、トイレを水浸しにしたと書いたが、それからは何もなかったかのように見せるのに大変だった。どうしようかなんて、考えている場合ではない。身体が自然と動いて、急いで部屋の奥にある?バスルームに行き、大きめのバスタオルを取りに行った。それでトイレの床に溜まった水を吸い取り、絞って出る水を便器に流す。今思うと、なぜパリに行ってまでそんなバカげたことをして居るのかと疑問に思うが、緊急事態なのだからどうしようもない。高いお金を払って、ロクでもないことをやっている自分を笑ってやりたくなるが、これも乗り掛かった舟なのだから仕方ない。なんとか拭き終えると、今度はペットボトルを水滴がちゃんと落ちる場所に小さめのタオルで固定する。最初はペットボトルをそのまま使ったので、口が小さくて、水を上手く溜められなかったが、今度は爪切りで飲み口を切り落として、広くしたので、簡単に水を溜められるようになった。そうやって、何とか翌日部屋を出ていくまでに何事もなく過ごすことができればそれでよかった。

 このホテルにタクシーで連れてきて貰った時、私の体調は最低最悪だったと既述したが、部屋に入った瞬間、ベッドに倒れこむようにして横になった。そのまま動けなくて、死んだように眠った。気が付いたら、2時間ほど経っていた。思えば、ヘルシンキからパリの空港に飛行機が到着したのが、朝の9時40分だったが、なにぶん時差というものがあるので、実際のパリの時間は1時間遅くなるので、10時40分だった。それから30分くらい待ってロワシーバスに乗り、1時間15分ほどでやっとパリのオペラ座に着いた。タクシーはスムーズに進んだので、私がベッドで目が覚めたときはおそらく午後3時を過ぎていたのではないかと推測できる。

 実を言うと、この時私は焦りまくっていた。なぜかと言うと、時間がたっぷりあったにもかかわらず、いつもするべきことが何もできていなかったから。それは事前に下見をすることで、今回はパリ北駅からユーロスターの乗ってロンドンにいく予定になっていたので、北駅にバスで行く必要があった。それと、ロンドンから帰って来たら、スペインのサンセバスティアンにも行く予定なので、パリのモンパルナス駅にも下見に行く必要があった。旅の計画ノートにはやるべきこととして、①北駅の下見②モンパルナス駅と前日泊まるホテルの下見③2日目に泊まるホテルの下見と記述してあった。だが、そう書いてみたものの、どう考えても、これらをすべてやるのは机上の空論で実現は不可能だった。

 それで、現実的に考えて、もっとも優先されるのは、あくる日に泊まるホテルの下見だと気付いたが、それさえもできなかった。もちろんホテルのある場所はだいたいは分かっていたが、今いる場所から15分は歩かなければならなかった。元気一杯で、パリに来られたことでワクワクしている、いつもの私なら、何でもないことだが、その時の私はぼろ雑巾のように疲れていたので無理だった。それに、タクシーでこのホテルに来たので、今いる場所がいまいちよく分からない。人間というものは今いる場所を自分で歩いて確かめないことには安心できない生き物だとつくづく思った。地に足が付いていないようで、物凄く不安になる。ホテルから一歩外に出て、出歩いてみて、また元の場所に戻って来られるかをやってみた。ペットボトルの水が1本しか部屋に無いので、スーパーに行って買ってくる必要もあった。地図と睨めっこして、やっとのことでモノプリというスーパーにたどり着き、買い物をして帰ってきた。

 結局、ホテルに帰ってくる頃には辺りは既に薄暗くなっていて、もはやそれから下見に行くなんてことは不可能だったし、そんな気力も残っていなかった。仕方がない、翌日はぶっつけ本番で、次のホテルに移動することにした。もちろんその時はトイレの水漏れに全く気付いていなかった。

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