人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

パリのスーパーFRANPRIXで

一見、日本のコンビニと似た風景だが

 昨日のブログで、パリでの2番めのホテル、フロル・リヴォリのすぐ隣にFRANPRIX(フランプリ)というスーパーがあると書いた。そのスーパーについて、もう少し説明を加えておくと、そこは、いわば、日本のコンビニの機能を備えていると言っても過言ではない。その理由は店内に、テーブルと椅子があって、買ったものをその場で食べられるようになっているからで、こういったタイプのスーパーは初めて見た。もちろん、このような形態の店を利用するのは、観光客に限られるだろうが、便利だし、とてもありがたい。ただ、日本のコンビニとの決定的な違いはその天文学的に高い商品の価格で、パリは何でも高いと頭ではわかっていても、5年前と比べても、遥かにバージョンアップした値段にたじろがずにいられない。

 例えば、ミネラルウオーターにしても、500mlは1ユーロ(日本円にすると1ユーロは約157円)しないとばかり思っていたが、そうではないとわかったし、1.5リットルのものは2ユーロかそれ以上する。日本にいたときは、常に物価高を痛感していたが、パリに来てからも以前と比べてさらなる物価高にショックを受ける始末だ。新聞で見かけたタイトルの文字「安いニッポン」をつぶさに肌で感じ、世界もまた物価高が加速していることにショックを受けた。FRANPRIXには嬉しいことに総菜のコーナーもあって、ショーケースには10種類以上のおいしそうなサラダやチキンなどが並んでいた。どれどれ、何か買おうと言う気になって、よく見ると、ブロッコリーや、アボカド、春雨などの惣菜があったが、不思議なことにどれも売れていなかった。はて、これはどうしたことかと疑問に思い、値段を見て仰天し、すぐさま納得した。なんと、200gで4.5ユーロ、いや違う、そうではない、たしか6.5ユーロと書いてあったのだ。

 少し冷静になって、ようく計算してみると、日本円にすると、どう考えても千円近い値段になってしまう。う~ん、いくら観光客で日常を忘れてお金を使っているとはいえ、やはりこの馬鹿高い値段には、財布のひもは緩まない。それで、この店での買い物は水と、くだもの、それも比較的安いオレンジぐらいだった。だが、この水が一番大事で、日本と違って水道水が飲めないと言うことには危機感を感じざるを得ない。なので、どうしても大きめのサイズのものを買わなければ安心できないのだ。それに、炊飯器でご飯を炊くのにも水が必要だった。

 そんなわけで、パリの二日目の夕食は日本から持ってきた無洗米を炊飯器で炊いて、おかずは韓国のりとフリーズドライビーフシチューだった。出発前から胃の不調に悩まされていたにもかかわらず、お腹は空く。普通なら米一合を炊くのだが、それでも多いので0.5合を炊く。それでも余るくらい私の体調は悪かったが、無理矢理にでも食べなければ、パリの肌寒さで風邪を引いてしまいかねない。もっとも、この後、注意していたにもかかわらず、鼻水が止まらず、海外旅行初の本格的な風邪を引いてしまうのだが。いつも思うのだが、異国の地で食べる炊き立てご飯の味はどんな高級料理にも勝るとも劣らない。なのに、今回だけは、たいして美味しいとは思えなかったのはなぜなのだろうか。やはり体調不良が原因だろうか。

 何回かFRANPRIXに通っているうちに、店内で飲食している人を見かけた。彼らは一体どんなものを食べているのかに興味があった。少し観察してみると、コーヒーか何かの飲み物とクロワッサンのようなパンだろうか、あるいはピザだろうか、そんなようなものを食べていた。こうした風景は一見すると、日本のコンビニの風景と類似しているが、その中身には雲泥の差があった。要するに、使っているお金が日本のコンビニの何倍にも及ぶのだ。例えば、日本では、コーヒーとサンドイッチで、いくら高くても700円くらいで済ませられるだろう。だが、パリではその倍以上の値段なのだから。まさに別世界なのだ。

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