人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

ホテル予約に選択肢なし

4年ぶりのホテル予約で困った

 パリの北駅からユーロスターでロンドンに行くことは以前のブログで書いた。ロンドンへの国際列車が発着する北駅のすぐ側には東駅があり、遥か昔に利用したことがあった。その時はドイツとの国境の街ストラスブールに行くためだった。要するに、パリの物価高にカルチャーショックを受けた私は、すごすごと物価が安くて過ごしやすいと噂されるストラスブールに逃げたのだ。そこはパリとは別世界の落ち着ける場所で、最初は感激したが、すぐに飽き飽きしてしまった。つまり、一時的な休息場所としては合格なのだが、何せたいして見どころがないのだから、刺激を受けることもない。それで、ドイツやスイスに列車で簡単に行けてしまう大変便利な場所にも関わらず、ぜひまた行きたいとは思わなかった。

 今回北駅を利用する必要があることが分かり、東駅が隣にあることを知って、ストラスブールのことを思い出したに過ぎない。それはさておき、ユーロスターに乗るためには、ぜひとも北駅の、できれば駅前のホテルを押さえておきたかった。いつもならまだ5カ月も先の予定なのだから、余裕で好きな場所を選べるはずだった。だが、「この地区の宿泊施設は80%予約不可となっております」との警告文に椅子からひっくり返りそうになってしまった。どうしてなのかはさっぱりわからないので、現地に行ったら、ぜひ宿泊施設の人に聞いてみたい気がする。仕方がないので、どこか適当なところがないかと探してみるが、あるにはあるが、天文学的に馬鹿高い料金のホテルばかりで面食らった。

 信じられない、いくら鉄道駅に近いからと言っても、所詮観光名所からはかなり離れている。地下鉄、あるいはバスを乗り継いでいくしか行けない場所にも関わらず、満室とは首をかしげるばかりだ。あれこれ検索している間にあっという間に2~3時間が経過した。それで、もう北駅に泊まることは諦めて、当日泊まっているシャトル駅近くのホテルからタクシーを利用することにした。あるいはバスでも行けるのだが、急いでいる時はタクシーに限るだろう。当日の朝のことをシュミレーションしてみると、こう書いている今も内心ドキドキする。前日から駅前のホテルに泊まって落ち着くのが私の旅の流儀だったが、今回はそれを破らざるを得ない緊急事態になった。

 本当なら朝一番のユーロスターに乗り込み、できれば明るいうちにロンドンの宿に着きたいのだが。おそらく早くても9時か10時頃の列車にしか乗れないだろう。それにユーロスターは国際列車なので、飛行機と同様に入国審査と荷物検査があるので時間の余裕をもって駅に行かなければならない。となると、ロンドンの停車駅であるキングクロス駅には夕方までに着ければ幸運だと考えた方がいい。変な言い方だが、この際は運を天に任せるしかないだろう、本当に行く気があるなら。もちろん、ロンドンでは到着駅に近いホテルを予約し、そこは駅から歩いて数百メートルで地図もあるが、現実は行って見なければわからない。Googleの航空地図で行き方を教えて貰い、あとは現地での人の好意にすがるしかない、そう思うことにした。

 それから、また列車の話だが、パリからTGVに乗ってスペインのサンセバスチャンに行こうと思った。ビールを飲みながら、美味しいタパスを食べて、パリとロンドンの”疲れ”を癒すためだ。国際列車の発着駅であるモンパルナス駅の近くにホテルを見つけようとした、できれば簡単に歩いて行けてしまうところを。実は以前にもそんな便利なホテルに泊まったことがあったが、今回はどうやら満室で予約はできないらしい。この地区も宿泊施設のサイトで検索してみても、到底受け容れられない馬鹿高い料金ばかりだ。例えば、一泊5,6万円とか、いや10万円といったところもあり、こちらの足元を見ているとしか思えない。要するに、皆が早々と良さそうで、リーズナブルな宿泊施設を選んだあとの、人気のない残り物のホテルのオンパレードと言えなくもない。どうしたものかと頭を抱えたが、どうにか一軒空いているホテルを見つけた。モンパルナス駅から650mのところにある小さなホテルで、もはや、料金、立地などのあらゆる点を考慮しても、そこに泊まるしかなかった。

mikonacolon