人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

パリに3週間滞在する

今週のお題「100万円あったら」

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パリにできるだけ長く居て、歩き回りたい

 もし、不意に100万円を自由に使っていいと言われたら、迷うことなくパリに行きます。これまで何回もパリに行きましたが、一週間滞在するのがやっとでした。そうならざるを得ない理由はホテル代の高さと物価高によるものでした。それでもパリに居たいのは、パリだけが持つ独得な雰囲気に惹きつけられてしまうからです。ルーブル、オルセー、オランジュリーという有名な美術館だけでなく、数えきれない名所があって、旅人を退屈させることがないからです。まだ航空券や列車のチケットを旅行代理店で買っていた頃、旅行の相談している最中に係員の人がこう言いました。「パリはお金がかかりますよ。私もこの間、パリに行ったときはお金を使いすぎてしまって」

 それでも、その人は「また行きたい」と言うのでした。だからその忠告に従って1週間程度の滞在に留めてストラスブールに逃げることにしたのです。お高いパリと違って、パンの種類も豊富でどちらかというと、日本の総菜パンに近いものが売っていて感激しました。この地に来て初めて私の食生活はまともになったのですが、ホッとした途端気づきました、たいして見物する場所がないことに。パリのあのアカデミックな香りが懐かしくて、あろうことか退屈し始めていたのでした。だから、今度パリに来るときはそれなりに準備して、できるだけ快適に過ごせるようにしようと誓ったのでした。

 初めてのパリで泊ったホテルは空港からの電車の駅がある東駅の近くにありました。今から15年ほど前の貧乏旅行で、と言っても今もたいして変わらないのですが、変わったのは欲望が大きくなっただけのことです。1泊7千円のホテルで、部屋にテレビもエアコンもありませんでした。でも部屋だけは広くて、ベッドルームがふたつもありました。それに朝食のバゲットが美味しくて、「ついさっきパン屋で買って来たのね」と言いたいくらいでした。なぜ、こんな話をするかというと、コロナが流行る前に行ったパリのホテルのパンがひどいものだったからです。「これって、絶対2日くらい前のでしょう」と言ってやりたいくらいの代物でした。でも、この時泊っていたホテルは1泊3万以上もしたのです。正直言って、「高い朝食代を取っておいて、これはないでしょう」と文句を言ってやりたいのですが、余計なことは言いません。朝食をパスすればいいのです。代わりに部屋に炊飯器を持ち込んで自炊していました。

 では、なぜこんなホテルに泊まるのかというと、ズバリ立地の面から言って申し分ないのです。ルーブル、オルセーなどの主要な美術館に交通機関を使わなくても、自分の足で歩いて行けるからです。本当はルーブルに一番近いホテルに泊まりたいのですが、高すぎて、貯金通帳と相談するまでもなく却下です。それで、現実的には、今の自分の身の丈に合った値段のホテルに決めるのですが、最優先事項はホテルから数分でセーヌ河畔に出られることです。その点から言うと、このホテルは素晴らしい場所にありました。歩いてすぐにセーヌ川が見えてきた思ったら、目の前にルーブル美術館の建物が立っていました。その時の興奮した気持ちはとても言い表すことはできません。

 思えば、初めてセーヌ河畔を散策した時、橋の上には中世の騎士が立っていました。勇ましくカッコイイその騎士は持っている剣を天高く空に突き上げていたのです。その剣は太陽の光を浴びてピカピカに光っていました。その光景に私は雷に打たれたように感激し、世の中にはこんな美しいものがあるんだと目から鱗でした。つまり、このパリというところは今まで見たこともない物が見られる特別な場所なのだと認識したのです。その頃は河畔には休憩できるベンチが多数あって、家族連れが仲良くサンドウィッチを食べていました。一番悲しかったのは、韓国で「愛の錠前」というカップルの恋の成就を願うおまじないが流行った頃、ルーブルのたもとの橋が錠前だらけになったことです。橋の鉄さくが天文学的な数の錠前の重みで悲鳴を上げていました。暗澹たる思いでいたのですが、その後パリに行った時は無くなっていたのでほっと胸をなでおろしました。

 さて、なぜパリに3週間も滞在したいのかというと、歩いて行動していたら、わき道の散策が楽しくなってきたからです。1週間では美術館巡りであっという間に終わってしまいます。ヴェルサイユ宮殿にも行きたいし、シャンティイ、フォンテーヌブロー、アミアンなどに足を延ばしてみてもいいわけです。でもまずはパリの街をぶらぶらしてこの地に住む人が生活する様子を観察して真似してみたいのです。またパリはバス路線が充実していて、日本のバスでは行かないよう路地裏を垣間見ることもできて、それがまた楽しいのです。ベルリンのトラムのようにはいきませんが、同じくらいパリの街をウオッチングできる役に立つ乗り物です。

 最後にパリの脇道で見つけた美しいウインドウの写真を3枚ほど載せておきます。

 

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