人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

テレビを見ていたら

ネットで人気の動画はシロハナインコ

 先日偶然見ていたテレビの番組で話題になっていたのは「インコの動画」でインコが何やらぴょんぴょんと跳ねている。その動作を何度も繰り返しているのだが、そのしぐさが何とも可愛い。どうしてそんなにぴょんぴょんしているのかと言うと、見ての通り「嬉しくて堪らない」という気持ちを最大限に表現しているらしいのだ。この動画を投稿した飼い主さんによると、旦那さんが帰って来る頃になると、この”ぴょんぴょん”を始める。どうやら旦那さんの気配をその音で敏感に感じ取り、早く会いたくて堪らないのだ。時には玄関のドアの隙間から何度も覗いていたりする。きっと旦那さんがもうすぐそこまで来ているとわかった上での行動なのだろう。

 この動画を視聴している第三者の立場から勝手なこと言うと、こんなにもインコに愛される旦那さんが羨ましい。家に帰ってドアを開けたら、いつでもインコが自分を待っていてくれるなんて、飼い主冥利に尽きるではないか。ますます可愛さが募るばかりだ。私だけでなく、旦那さんとインコの”ご対面”の場面を想像して感動してしまうのだ。このインコはシロハナインコという種類で、身体はレモン色で緑の羽根が鮮やかで美しい。このインコがこんなにも感情豊かな行動をするようになったのは、旦那さんの仕事が急に忙しくなってからだと言う。それまでのようにインコにあまりかまってやれなくなったせいで、寂しさのあまりこのような熱烈歓迎という行動に出たのではないかとのことだ。

 インコがこんなにも感情豊かだとは目から鱗で、それに鳥は当然カゴの中で飼うべきものだと言う固定観念が覆された。この動画のインコは家の中で放し飼いされているのだろう。猫や犬と同様に自由に家の中を飛び回れるので、文字通り”籠の鳥”である普通のインコとは一線を画していることも確かだ。インコを飼っているという番組のゲストの落語家は「うちのインコは時々カゴから出してやると、私の顔を突っつくだけで特に変わったことはしません。いやあ、このインコは凄いですね」と当惑している様子だった。

 この動画を見たら、きっと誰もが「シロハナインコを飼ってみたい」だの「自分もあんなに愛されてみたい」だのと思ってしまいかねない。実を言うと、私の短絡的、かつ単純な思考回路はすぐにそうなってしまった。だが、そんな瞬間湯沸かし器のような人たちがとっさの行動に出てしまわないように、番組ではサポートを忘れていなかった。要するに、「ちょっと待って」と言わんばかりにシロハナインコの性格がどんなものなのかを警告するのを怠らなかった。それによると、飼い主に対する愛情が豊かであればあるほど、その反動としてそれが報われなかったとき、あるいは不機嫌な時はどうなるかを想像して欲しいと言いたいのだ。攻撃的になったり、落ち込んだりと感情の浮き沈みが激しいと言うことは、放ったらかしにはできないと言うことではないのか。

 となると、自然と”取り扱い注意”の文字が頭に中に浮かんでくる。あの動画を見ていると、自分もああいう幸せにあやかりたいと思ってしまうのだが、どうやら思うだけに留めておいた方がよさそうだ。一瞬の幸せで満足するしかないのだが、誰もがあのインコのような精一杯の愛情を向けられることを心の底では望んでいるに違いない。かくいう私も動画を見て感動し、一瞬舞い上がったが、最後に付け加えられた警告を聞いて、はち切れんばかりになった心の風船が急激に萎むのを感じずにはいられない。愛情には代償が付き物というわけか。

 いずれにせよ、インコがまるで人間のように豊かな感情を持つことが分かっただけでも一つの発見と言える。だが、正直言ってやはり、私には猫のような「放って置いて」的な生き方をしているペットが一緒に居るのには楽でいい。

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