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「和田家の男たち」が面白すぎる

 

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▲スペインのコルドバの歴史地区のローマ橋。NHKまいにちスペイン語テキストから。

祖父、父、孫3人3様の生き方が面白い

 大石静さん脚本のドラマ「和田家の男たち」を毎週楽しみに見ています。このドラマのことを知ったのは新聞のテレビ欄で、正直言ってこのタイプのお話はもう見る前から内容がわかってしまいます。男性3人が一緒に共同生活をするとなったら、だいたい3人のうちの誰かが、必ず料理好きで家事全般をすることになります。そういう点ではこのドラマも例外ではないのですが、それぞれの人物設定が大変興味深いのです。

 祖父の74歳になる寛(かん)さんを演じるのは演技派俳優の段田安則さんです。今まで見たことがない、頑固に見えて意外に緩い面も併せ持つ、なかなかユニークなおじいさんを演じていて、視聴者を楽しませてくれています。先日も酔っぱらって、いい気持ちになり、歌まで歌ってしまう場面では、意外にも?美声を披露して、まるでミュージカル俳優のようでした。最初歌い始めたときは期待などしなかったのですが、聞いているうちにその歌声が歌手並みのうまさだったので、まさに目から鱗でした。松田聖子のスイートメモリーズ、素晴らしかったです。思わず拍手したくなるほどでした。

 その寛さんは人も羨むような豪邸に住んでいるのに、お手伝いさんも置かずにたった一人で住んでいるのです。当然食事もロクなものを食べていないようで、ある日寛さんは今流行りのuber eats  のような宅配を頼みました。すると配達員は偶然にも孫の優くんでした。孫と言っても、血が繋がっているわけではなく、寛さんの息子の秀平さんが優くんの母親と結婚したのです。母親が生きていた子供の頃しか一緒に住んだことがなかったので、最初は気が付きませんでした。でもそこへ秀平さんが現れて、優くんが孫だとわかり、3人は久しぶりに再会したのです。

 折しも優くんは14年も勤めていた会社が潰れてしまったので、宅配の仕事をしながら求職中でした。それで秀平さんが「もしよかったら、俺たち一緒に住まないか」と提案したのがきっかけで、ドラマ「和田家の男たち」はスタートしたのでした。佐々木蔵之介が演じる秀平さんは、テレビのニュース番組のプロデューサーなのに、全く華やかさがなく、真面目で生活が地味なのに驚かされます。お約束のような仕事終わりのおしゃれなバーのシーンや、女性関係といったおまけの部分はこのドラマにはありません。あくまで事件を真摯に報道するという使命感に燃えていて、仕事一筋なのです。

 優くんは、「寛さんは元新聞社の社長だし、お父さんはニュース番組のプロデューサーで二人とも凄い、なのに自分はこんなんで・・・」と嘆きます。どうやら祖父と父に対して劣等感を抱いているようです。すると、寛さんは「何を言ってるんだ。毎日美味しいご飯が食べられて、物凄く感謝しているよ」とニコニコ笑って言うのです。秀平さんも「優は毎日ご飯を作ってくれる、それだけで素晴らしいんだよ」と励ましてくれます。そんな3人にとって、たわいもない話をしながら、一緒に食べる朝食はかけがえのないひとときです。実際、優くんがみそ汁を作ったり、料理の盛り付けをしたりするシーンは結構見ていて楽しいのです。ご飯を食べながら、3人がなんだかんだとおしゃべりをたり、じゃれ合っているのを見るのはなんとも微笑ましいと感じてしまいます。考えてみると、「和田家の男たち」は食事のシーンが多いです。

 それに前回のストーリーでは、物語の展開に合わせて、思いがけなく美しい建物の中を見ることができました。それは東京の新宿にある小笠原伯爵邸で、この建物はずいぶん長いこと放置されて、ツタが絡まったまま置き去りにされ廃屋状態でした。それを誰が思いついたのか、外見は当時のままですが、中は宮殿のように豪華絢爛たる内装が施されています。といっても高めなファッション雑誌の中でモデルさんがポーズをとっている写真から覗う程度なのですが。現在はお屋敷の建物は結婚式場となっていて、カフェも併設されているのですが、なかなか敷居が高くて気軽には入りづらい雰囲気です。こんな幸運に出会えたのは、優くんが知り合った宮沢エマさん演じる女性が建築を見るのが趣味だったからです。このドラマは和田家にまつわる秘密のお話とは別に、思いもかけない 側面においても2倍に楽しめるドラマです。

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