人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

ドラマ「ヒョンジェは美しい」

世間の常識を覆す発想が新鮮で、面白い

 最近見始めたドラマで面白いのは、テレビ東京の韓流プレミアの「ヒョンジェは美しい」で、せっせと毎日録画して、時間のある時に見ている。このドラマの何が面白いかと言うと、世間の常識を覆すような発想に思わず笑ってしまうのだ。超学歴社会である韓国において、息子が二人共社会的ステータスのある、歯医者と弁護士なら、飛ぶ鳥を落とす勢いで鼻が高い。友だち同士の集まりでも、羨望の的でちやほやされること請け合いだ。だが、このドラマに出てくる母親の女性は、あろうことか、友だちから、「あなたはなんて可哀そうな人なの」と同情される始末で、何とも惨めな思いをする。彼女が可哀そうな理由は、もうすぐ40歳にもなる歯科医の長男も、36歳になる弁護士の次男も未だに結婚もせず、孫の顔を見せてくれないからだ。「可哀そうね」と言われるのがひとりぐらいならいいが、皆に同じことを言われてしまって、「そんなのどうでもいいこと」と聞き流すはずがいつの間にか、目の上のたん瘤でもあるかのように悩む羽目になった。

 ついつい本人たちに、「どうして結婚しないの?」と詰問してしまうのだが、上手いことはぐらかされる。一方、同居している夫の父親も、老人会の活動で、孫の話題がやたら出て、仲間の話に入れないのだった。自分だけ孫がいないのをそんなに不幸だとは思ったことはなかったが、スマホで孫の写真を自慢する仲間の姿を見せつけられると、やはり寂しい。息子たちの結婚にあまり関心がないのは、教師をしている夫だけだったが、妻の悩みを知って、息子たちを結婚させるプロジェクトを提案する。彼らの息子は3人いたが、末っ子は公務員試験を目指して勉強中で、現在は無職だった。だが、彼には幼馴染の女の子の友だちがちゃんといて、一番結婚する可能性が高かった。

 それで、父親は三男をダシにして、長男と次男を競わせて、何とか結婚させようと目論んだ。ご褒美のにんじんを目の前にぶら下げれば、それを目当てに猪突猛進する馬のように、彼らへのご褒美は、母親が苦労して手に入れたマンションだった。兄弟のうちで6カ月以内に一番早く結婚した子がマンションを貰えるのだ。父親は息子たちが皆負けず嫌いな性格なのを利用すれば、絶対上手く行くと自信満々だった。息子たちに婚活プロジェクトに参加するかどうか尋ねると、最初は「そんなのくだらない」だの、「6カ月だなんて、短すぎる」だのと文句を言っていた。だが、三男が「それじゃあ、俺に決まりだ」などと言い出したものだから、俄然負けず嫌いの血が騒ぎだし、負けてなるものかと奮起しだした。

 ドラマはまだ始まったばかりだが、オープニング映像で、長男と次男のお相手がわかるが、そう簡単に結婚に至るとはとても思えない。長男は人気のある歯科医で、たまにテレビ出演の依頼も来るが、意外にも人見知りであまり女性に興味があるとは思えないのだ。それに彼は最近株で大損をして、借金まであるのだった。本当なら家の一つや二つ持っていてもいいのに、自分は何も持っていないと嘆いていた。本当は「結婚しないんじゃなくて、結婚できないんだ」などと溜息をついていた。そんな彼に一体全体なにがどうなったのか、不思議でならないのだが、一目惚れをしてしまったのが、次男の弁護士事務所の代表だった。歯の治療に行って、そこの先生を好きになってしまうだなんて、そんな交通事故みたいなことがある設定に、少し白けてしまった。

 それはさておき、離婚専門の弁護士である次男のお相手は依頼主の女性で、彼女は婚姻の取り消しを彼に相談していた。つまり、それは離婚手続きのようにも思われるが、このドラマの中ではあくまでも、婚姻届を早く出しすぎてしまったとの見解になっていた。婚姻届けを出した後に、相手の男性に別の女性との間に子供がいたことが分かって、急激に相手に対する気持ちが冷めたのだ。「私は騙されていた」と憤慨するが、相手の気持ちを配慮する性格の彼女は冷静に対処しようとする。だが、相手は執拗に会いたくないと嫌がる彼女を追いかけて来て・・・。

 

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