人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

包装紙や手提げ袋を集める

今週のお題「わたしのコレクション」

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お気に入りをブックカバーにしていつも一緒に

 近頃では包装紙や手提げ袋を滅多に貰うことは無くなった。これも時代の流れというか、仕方ないことかもしれないが、美しい包装紙に包まれた贈り物はやはり嬉しい。もちろんゴミが出ることはわかっているし、何重にもビニールで包まれたお菓子には、これって必要ないのではと感じることもある。そういえば、外国のお菓子の箱を開けて仰天するのは、一個ずつビニールの袋に入れられている日本と違って、ただごろんと入れてあることだ。確かにこれならゴミが出ることはないだろう。包むと言うこと自体日本独特の文化なのだろうか。

 今の時代は環境に配慮して、簡易包装が徹底されているので、もう包装紙を手に入れることはできなくなった。それでも、時々老舗のお菓子やさんなどでは昔ながらの包装紙を使っているところもある。先日も知人から贈り物を頂いたのだが、それは麻布の老舗の物でお吸い物やお茶づけ、スープなどを美しい花の椀に入れてあった。チューリップやバラなどの絵柄の椀は、もちろんお湯を注げば、たちまち溶けるので食べられる。そこの店の包装紙は春を感じさせる淡いピンクで、朝顔や桜の花びらの絵もくどくない程度に描かれていてとても感じがいい。まだその頃は今のように急に温かくなるなどとととても想像できなかった。そのせいで春霞を思わせる包装紙の色にあんなにも惹かれたのかもしれない。気に入った包装紙はすぐにブックカバーに変身させることにした。こうすれば、ただの紙ではないので捨てられることなく、第二の役目を与えられて生き延びる。

 以前は私はラスクがとても好きだった。今はその熱が収まっているところなのだが、特にGOUTER  de  ROI の物がお気に入りだった。都心のデパートにしか入っていないのだが、買いに行くといつも長蛇の列ができていた。そこの一番人気は砂糖の付いたラスクなのだが、私はホワイトチョコレートが掛かっているのが好みだった。両方とも手に取って店員さんに渡すと、必ずシンプルな白い手提げに入れてくれた。たしかに白は上品でよいのだが、これをブックカバーにするのは少し無理があった。そんなことを思っていたら、ある日嬉しい出来事が起きた。何も知らずにクリスマス前に店に買いに行ったら、なんと手提げがサンタクロースのコスチュームの赤とヒイラギの葉の緑に変わっていた。クリスマスバージョンなのだそうで手提げ袋が変身していた。これならブックカバーにできると内心大喜びで家に飛んで帰り、早速手提げ袋を解体した。持ち手を取り除いて一枚の紙にしたら、絵柄のところだけ使ってブックカバーを作った。そのままではどこか押し入れにしまわれて、いつかは忘れられてしまうのが手提げ袋の運命だ。でも赤色がやたら目立つ包装紙は現在も私の目の前にちゃんとある。よく見ると、色が少し剥げ掛かっていて、小さな穴が開いている部分もあるにはあるが、まだまだ現役だ。

 旅行の思い出だって、やろうと思えばブックカバーにすることができる。以前行ったスペインのサンセバスティアンに水族館があった。水族館と言ってもたいして目立たない、あまりお客さんが入っていない場所だった。一瞬貸し切りかと思いきや、ポツポツと人がいたのでホッとした。だいたいがこの町に水族館を目当てに訪れる人なんていやしないのだ。かくいう私だってバルで食べ歩きが目的なのだから。普通の水族館に比べるとこれといった見世物がなくて、ここは何かのついでに来る場所だった。さっさと帰ろうと思ったが、土産物を売るショップがあったので入ってみた。客は私しかいない。その時ふと思った、何か記念になるものを買って帰ろうと。店の中を物色してたら、いい感じの海の匂いがするTシャツを見つけた。そうだ、お土産にこれを買おう。適当に選んでTシャツを2枚ほど、レジに持って行った。すると、店のお姉さんが美しいブルーの手提げ袋に入れてくれた。そこには水族館の様子が一目でわかる美しい写真が載っていて、後から眺めても楽しかった。全く予想外なのだが、気に入ってしまった私はそれをまたブックカバーに変身させた。

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