人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

家中のカーテンを洗う

今週のお題「最近洗ったもの」

どんどん洗って干すのが、楽しい!?

 誤解を招くといけないので、まず初めに断わっておくが、私は洗濯があまり好きではない。でも、そんな私も、洗濯物がどんどん乾く今の季節は洗濯が楽し過ぎる。無限大の太陽の熱を利用するのは今でしょう、とばかりに洗濯に熱中する。ベランダに干して置いたら、2~3時間で乾いてしまうのだから、感動ものだ。そこで、普段は絶対に洗おうなどと思わないものを洗ったら、どれだけ気持ちいいだろうと考える、たとえば、布団、カーペットなどの大物だが、想像しただけで、それはさすがに面倒でパスすることになる。だが、ふと、部屋を眺めると、簡単に洗えるものがあるではないか、そう、冬の間ずいぶんお世話になっていたもの、それはカーテンだった。熱中症になりそうな今の季節は暑苦しくて、邪魔なだけだが、目には見えないが埃だらけに違いない。

 そう言えば、大掃除の時、真っ先に電気器具の埃や換気扇の汚れなどは気になるのに、カーテンのことまでは構っていられない。まあ、いいかと今まで見てみぬふりをしてきた。だから、灼熱地獄の今の季節が、カーテンの洗濯日和と言える。今までも気が向いた時はカーテンの洗濯をしてきたが、それは数えるほどで、暑くて死にそうな季節ではなかった気がする。でも今風にコスパの事を考えると、この時期にやらなくて一体いつやるんだと思えてきた。太陽の熱量を最大限に有効利用する機会を逃しては後悔する。

 私は検索魔なので、以前ネットでカーテンの洗い方を調べてみた。カーテンを洗いたいのだが、干し場に困っての事だった。カーテンを洗濯機で洗うのはいいが、干すのに場所を取るのでついつい躊躇してしまうのだ。すると、別に外に干さなくてもいいそうで、「洗ったら金具をつけて、カーテンレールにかけて元通りにしておけばいい」とあるサイトに書いてあった。これなら干し場に困ることもないが、あとは自然乾燥におまかせというのもなんだか頼りない。だが、現在のじっとしていても汗が滴るような環境においては、放ったらかしは理にかなっている。

 めんどくさがり屋の私には願ってもない状況で、大量の埃と一緒に思い出したくもない過去の思い出も洗い流したい気分になる。どうせ私の家のカーテンはすべてスーパーの特売品なので、あれこれ気を遣うこともない。どうしても使っている間に汚れやカビなどが付くので、高いものは買わずに使い捨てにしてもいいような安物を買っていた。洗濯機に入れてどんどん洗うと、新品同様にはならないものの、カーテンが生まれ変わったように感じる。「洗った」という行為がなんだかとても新鮮に感じられるから不思議だ。何でも汚れたら洗えばいい、という先入観からなのか、もちろん、汚れが完全に落とせるわけではないが、それでも洗わないよりはましなのだ。

 以前、女優でエッセイストの岸恵子さんの本を読んだら、一日中フランスの別荘で洗濯をしていたと書いてあった。家中のありとあらゆる衣類を洗濯し、干し場にある壮大な洗濯物の光景を眺めていたら、やり遂げた充実感でいっぱいになったそうだ。普段は洗濯などはしない岸さんだからこその感想なのだろう。でも普通の人にも例外はいるもので、会社の後輩に休み明けにこう言われたことがあった。「昨日の朝早く洗濯をして、ベランダに洗濯物を干したらものすごく気持ちよかったんですよ」。そう言われた私は愛想笑いで誤魔化したものの、内心では「洗濯のどこが楽しいのよ」と悪態をついていた。彼女の話に逆立ちしたって共感できない私は、年寄で世間ずれしている人なのだろうか。チラッとそんな考えが頭を掠めたが、仕事に熱中していたら、いつの間にかこだわりが消えていた。

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