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投票用紙の秘密を知った!10月31日

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▲標高およそ1500mに位置するピレネー山脈のスペイン橋。NHKまいにちフランス語テキストから。

開票作業効率アップ、すぐ開く「ユポ」という投票用紙

 10月31日は衆院議員選挙の投票日だった。いつものように早朝の散歩に行き、帰ってきてからブログを書いた。その後朝ごはんを食べて、投票所になっている徒歩5分の小学校に行く。天気予報によると、これから雨が降ると言う。別に雨なんて降っても構わないのだが、すべきこと早く済ませたいとは思う。いつかの悪夢のように、自分以外誰も人がいない状況は避けられたようで、投票所の中には程よく人がいた。まず、自分が心に決めた小選挙区の候補者の名前を紙に書いて、投票箱の中に入れる。次に比例代表の党名を書く用紙と裁判官名が書かれた用紙の2枚を渡された。正直言って、党名をどうしようか迷ったが、朝日新聞の「衆院選、9党の公約」を読んで参考にした。私が重視したのは、社会保障と環境・エネルギー問題で、最も自分の考えに近い政党を選んだつもりだ。

 たしか、黄色は比例代表で黄緑色は裁判官の罷免だった。投票箱は2つあり、それぞれ投票箱にちゃんと入れたはずだった。だが、私が出口に向かおうとすると、椅子に座って様子を見ていた係りの女性から呼び止められた。何を言われているのか、よく聞き取れなかったが、「きちんと入れてください」と注意されたようだった。いったい何事?と振り返ってよく見ると、私が中に入れたと思っていた黄緑色の用紙がなんと、投票箱の細長い投入口に引っ掛かっていた。ええ~!なんで?と何かに失敗したような気分になってしまった。ちゃんと用紙が下に落ちるのを確認してからその場を去らなければいけないらしい。とんでもない所で、ぼろが出たというか、自分の性格の雑さが露わになってしまった。立会人の年配の女性は私を気遣ってくれたのか、「すみません」と声をかけてくれた。

 実は今朝、朝日新聞天声人語に投票用紙のことで目から鱗の記事が出ていた。それは投票用紙の秘密についてだった。つまり、「見た目は普通の紙なのに、二つ折りにしても、投票箱の中ですぐ開く」ように、投票用紙は特殊な紙でできているのだ。つまり、普通のただの紙だと、一枚一枚手で広げるのが大変なのだという。この用紙の名前は「ユポ」というそうだ。このユポのおかげで「開票作業の劇的なスピードアップをもたらした」のだ。

 この用紙を開発したのは合成紙メーカーの「ユポ・コーポレーション」の加工部長の鹿野民雄さんだった。ユポの売りは水に強く、丈夫なのが売りだが、折り曲げにくく収納しづらいのが欠点だった。でも、逆転の発想をして、「二つ折りにしてもすぐに開いてしまう」という性質を長所に変えて最大限に利用してしまったのには脱帽するしかない。それに私は身をもって、自ら用紙の秘密の素晴らしさを試すことになってしまったのだから。ふと、前回の選挙の時はどうだったのだろうかと、考えてみた。でも投票用紙の紙質などを気にする余裕?、あるいはそんなどうでもいいことについて頭の隅に浮かんだことなどない。パスカルは”人間は考える葦である”と言った。失敗しても考えることを諦めず、粘り強く努力を続ける人たちによって、ユポは選挙の際に役に立つ商品になった。いずれにせよ、今回の選挙は、”必要は発明の母である”と痛感させられる経験となった。

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