人生は旅

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ベルギーのチョコレートが美味しい

今週のお題「チョコレート」

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ある本がきっかけでベルリンに

 私の中でチョコレートと言えば、やはりベルギーのチョコレートで、一番美味しいと思うのです。そう思うようになったのはある1冊の本に出会い、そのおかげでチョコレートの専門店を巡るようになったからです。以前、吉野智子さんの『ベルリン、可愛い街歩きブック』を書店で見つけました。読んでみたら、ベルリンの町に溢れている自由さ、なんだか楽しそうな雰囲気が伝わってくるのです。ベルリンに行ったら、きっと幸せになれる気がして、航空券を予約しました。ドイツと言うと、なんだか物価が高そうで敬遠していたのですが、ベルリンは他の都市とは違うようです。ミュンヘンやフランクフルトのように特別な産業がないので貧乏なのだとか。だから家賃も安い、それで若者がカフェやショップを始めるのに最適な場所と言えるのだそうです。

 要するに、働く場所が無いので、自ら商売を始めるのです。あるカフェの経営者の女性はオランダで修業した後にベルリンに来て店を開きました。店に置かれている家具はすべて中古なのでお金はほとんどかかっていません。店のスペースは狭いので、隣接している舗道にもテーブルとイスを置いて営業しています。最初この光景を見たときは戸惑いましたが、どの経営者もみんな同様のことをしているのです。それで「ベルリンではこれが普通なのだ」と解釈したら気にならなくなりました。彼女は朝から深夜までほぼ一人で店を切り盛りしています。日替わりの定食と飲み物とケーキが主なメニューですが、ケーキは自家製だそうです。従業員がいないので人件費はかかりません。でも想像してみると、ひとりだと大変そうですが、そこのところはうまくできていて、常連さんが助けてくれるのです。

セレクトショップでいろんな国のチョコに出会う

 そんな自由に溢れたベルリンでは当時BIO(ビオ)の製品が流行っていたのです。ビオとは「有機の」とか「オーガニック」という意味です。ビオ専門の食料品店とかスーパーもあって、普通の商品より少し値段は高めなのですが売れているのです。健康志向の高まりでビオを選ぶ人が増えているのですが、味も美味しいことは確かなのです。そして、その流れはチョコレートにも及び、ビオのチョコレートにも人気が高まっていました。私は当時、ベルリンのお店紹介の本で見たチョコレート専門店のグラビアが忘れられませんでした。世界各国から取り寄せたチョコレートが置いてある店に行きたくてたまらなかったのです。フランス、ドイツ、オランダ、ベルギーと様々なチョコがあるのですが、すべて中に何か、例えば濃厚なクリームだとか、ナッツや果実がぎっしりと入っています。日本にあるようなすっきりとした味のものは少ないように思います。外国の人は日本人に比べると甘いもの好きのようです。ロシアでバスの運転手さんが交代の時に、お昼にドーナツ2個を食べているのを見たときは仰天しました。大の男の、それも中年の男性の昼食があんな甘いものだなんて、日本人の感覚ではとても理解できませんでした。

 さて、チョコレート専門店に行った私は、ワクワクしながらチョコをかごに入れていきました。どれもこれも美味しそうで全部試してみたいという気持ちが強すぎて、いつの間にかかごがいっぱいになりました。興奮して夢心地になっていた私は、ふと我に帰って、「こんなに買ってどうするの?!」です。ひとまず冷静になって、今度はかごの中のチョコを半分くらいに減らすことにしました。何とか自分の欲望に折り合いをつけて買って帰ったチョコの中で、食べてみて一番美味しかったのがベルギーのものでした。ベルギーと言えば、たしか高校の時のペンフレンドがベルギーの港町オステンドに住んでいたのを思い出しました。でも当時はベルギーにチョコレートに結びつくようなイメージは全然抱いていませんでした。いずれにしても、ベルリンでいろんな国のチョコの味に出会えたことは幸せな経験だったといえます。

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