人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

泡沫の夏を見て

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初恋の相手との最悪の出会い

台湾ドラマでヒットした「うたかたの夏」の主人公は大財閥の息子でオウチェンという男性です。昔彼がまだ少年だったころ、彼が乗った車を一人の少女シャーモーが突然立ちはだかって体を張って止めました。彼女は貧しい養父のために、彼女の家の困窮を救おうとして自分の命を投げ出す覚悟でした。雇い主である彼の家に父を解雇しないように懇願するつもりでした。彼は彼女の必死な姿に衝撃を受けて、淡い恋心を抱くようになるのです。彼は少し変わっていて、彼女の頼みを聞く代わりに、自分のアーチェリーの的になってくれるように条件を出します。普通の少女ならおそらく断ることでしょう。怖がって一目散に逃げ出すかもしれません。

でもシャーモーは度胸があるのです、頭にリンゴをのせて平然と彼の前に立って的になります。「泣いて逃げ出すなら今のうちだぞ」と脅しますが、彼女は動揺する気配もないのです。そして、アーチェリーの矢は彼女の頭の上のリンゴに無事突き刺さりました。ドラマを見ている方としてはホッとしましたが心臓に悪いですね。オウチェンは彼女の本気度を、本当に覚悟があるかどうかを知りたかったのだと思います。それに彼女が見事に答えたのですが、この時彼女の心に芽生えたのは彼への憎悪にほかなりません。一方、彼の心には彼女への恋心が芽生えてふたりの物語が始まるのです。

大嫌いな相手との結婚

時は流れて高校生になったときには、彼女は周りの誰もが認める彼の恋人になっていました。金持ちには逆らえず、嫌々付き合ってきた彼女は彼の気持ちを知っていて「あんたなんか大嫌い」と平気で言い放つのです。見ているこちらが気の毒になるほど彼に対してひどいことばかりするのですが、彼はされるがままです。彼女が冷たくてひどい女にしか見えなくて、私は彼女の性格が好きになれないのです。何年かたってそんなふたりの関係にも変化がおとずれます。弟が病気になり手術するのにドナーが必要になったのです。そのドナーには彼が最適だというのです。愛する恋人がいるシャーモーは彼に弟のドナーになってくれるように頼みに行きます。最初はもちろん、「なぜ俺がドナーにならなきゃいけないんだ、帰れ」と冷たい態度をとるのです。でも、「何でもするからお願い」と哀願されると、「結婚してくれたらドナーになる」と本音がでるのです。そのときのオウチェン役のピーター・ホーの照れたような表情がすごくよかったです。

相手の幸せを願う

結婚を無理強いして、愛する恋人と別れさせた彼でしたが、しだいにシャーモーのことを考えるようになります。彼女には幸せになってもらいたいが、自分のところにいたのではダメなのかもしれない。そうだ、もう彼女を自由にしてもいいころではないだろうか、と考えるのです。彼女が楽に暮らせるだけの財産を用意し、メッセージを残して自分はひとりでパリに行こうとするのですが。ドラマは原作の小説とは終わり方が少し違うようです。でもベストセラーになっただけあって、話の展開がなかなか面白いですね。

 

mikonacolon