人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

カフェの従業員の葛藤と新しい日常

 

 

今週のお題「外のことがわからない」

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グラナダアルハンブラ宮殿に行く途中にあるオープンカフェ。緑に囲まれた気持ちのいい空間でほっと一息できるのが嬉しい。

従業員の葛藤がわからなかった

 毎朝の散歩コースの途中にチェーン店のカフェはありました。その店は周辺のお店が休業する中で唯一今日まで営業しています。会社の方針や事情にもよるのでしょうが、実際のところコロナ禍でも利用するお客さんはけっこういたのです。特に土日などは店の前を通りかかると、人でいっぱいの中の様子が見えました。ここだけでも「開いててよかった!」と思ってしまうのです、そんな人間の感情は複雑で簡単には説明できません。その一方で店を潰さないためにも積極的に利用したいと堂々と発言する人もいて考え方は様々です。

 そんなある日、新聞の記事で目にしたのは、カフェの従業員が会社に何度も休業を直訴したのに却下されていたという事実でした。当然のことながら、従業員はいつか自分がコロナに感染するのではないかと怯えていたのです。感染防止策がマスク着用とアルコール消毒だけだなんてあまりにも頼りない。そんな不安な気持ちでいっぱいなのに仕事をしていたのです。いつしか同僚が辞めていく中で、もう我慢できないと会社に休業するよう訴えました。しかし会社側はこの切実な声に誠意をもって対処しようとは考えませんでした。だから従業員はコロナウイルスから身を守るために闘うことにしました。一人でも加入できるユニオンという労働組合があることを知り、会社側と交渉してもらうことにしたのです。会社に抗議せずに辞めてしまったり、我慢して言いなりになりになるのでは何も解決しないと思ったからです。

佐賀県が新しい試みを始めた

 外国に旅行に行くと日本とは違って外にテーブルと椅子があるテラス席が多いのに驚かされます。また人々は日本人ほどエアコンの有無にこだわりません。特にパリでは、人々は寒くても暑くても外がよくてお日様が大好きなのです。冬が長くお日様の光をありがたいもの、貴重なものと考えるからこそ、カフェのテラス文化が根付いたのです。たとえ真夏であろうとテラスは満席で賑わっているのに、中はガラガラなのはトイレを借りるときにわかってしまいます。店の扉を開けようとしたら「冷房中」と書かれていて「何これ?」と面食らいました。それでヴェルサイユ宮殿に行くときに乗ったRERの窓が開けっぱなしだったことを思い出したのです。私たちが暑くて死にそうになっているのに、彼らときたら暑さなど気にせずにビールを飲んでおしゃべりに熱中していました。冷房なしには生きていけない日本人はなんて弱っちいのだ!と改めて思い知った経験でした。

 コロナ禍での新しい日常として、パリにあるようなテラス席が日本でも普及しないだろうか、そんな試みが佐賀県で行われているそうです。はっきり言って、日本で野外で外食できる場所はそう多くはありません。しかし三密を避ける意味でも人々にテラス席の利用を勧めるのは理にかなっています。『ウイルス対策のために佐賀県が店先の歩道などにテラス席を設ける社会実験を始めた』と新聞の佐賀県版が伝えています。佐賀市の商店街で居酒屋やワインバーなどが参加し16日間、夜だけ続ける予定です。こうした取り組みをきっかけにテラス席が普及すれば、コロナ禍でも飲食店は存続できるかもしれないのです。ヨーロッパでも飲食店はテラス席のみの営業を再開しているのではありませんか。果たして日本にテラス席のような新しい日常は受け入れられるのか、どうなるのか楽しみでもあります。

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