人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

缶コーヒーの不思議

今週のお題「最近あった3つのいいこと」

 

最近あった3つのいいこと

 一つ目は缶コーヒーの不思議に気づけたこと。私の毎朝の楽しみは散歩の後に缶コーヒーを飲むことで、それを途中の自動販売機で買うことにしている。既述したように、最近散歩のコースを変えたので、コーヒーにもちょっとした変化が起きた。私がいつも買うのは、テレビのCMに誰もが知っている有名な外国の俳優が出ているメーカーのもので、カフェラテと決まっていた。初めは散歩の途中に自動販売機があるので、ちょうどよかったと思って買っていた。だが、一口飲んでみると、あれ、いつも感じる「美味しい!?」がない。まさか、そんなことはと信じられず、二口めを飲んでみるがやはり違う。どう考えてみてもおかしい。もっと飲み口がすっきりして、ミルクの味がするのになあと戸惑った。

 単なる気のせいか、あるいは身体の調子が悪くて、味覚が鈍っているのかのどちらかなのかもしれない。そう考えて、あまり気にしないようにはしていたが、1週間ほど経ってもやはり変わらなかった。コーヒーの味はそのままで、私の舌は「美味しい」とは言わないままだった。それで試しに横断歩道を渡って、コンビニの近くにある自販機で同じものを買ってみた。飲んでみたら、いつものあの味で、そこも値段は同じ100円だった。これは一体どうなっているのか、う~ん、どう考えても分からない。こうなると、缶の中身を疑いたくもなるが、確固たる証拠がないのだから仕方がない。

 自分の舌を疑うわけではないが、ずうっと同じ物を毎日飲んでいると、飽きてきて「美味しい」と思わなくなることもあるのではないか。まあ、それはそれでいいのだが、どうせなら自分で「美味しい」と思えるものが飲みたい。だから、他の自販機も試してみることにした。一番高い130円のコーヒーは文句なく美味しかった。次は120円、それから110円の缶コーヒーも飲んでみた。それでわかったことは110円の缶コーヒーで十分だということだった。何も130円の高いコーヒーを買わなくても、110円で同程度の幸せを味わえるのだ。

 どうせなら100円の方がよりいいのだが、残念ながら美味しい自販機は人気があるのか、すぐに売り切れになる。さっさと補充してくれればいいと思うのだが、なかなか売り切れランプは消えてくれない。だからその自販機はないものと諦めて、あらかじめ前日に買って冷蔵庫に缶コーヒーをストックするようにしている。散歩の帰りに缶コーヒーを買って帰る楽しみがなくなったわけだが、今ではそれにも慣れてきた。ときどき買い忘れることもあるが、その時は寄り道をして調達する。

 二つ目は7階のベランダから鳥目線で広い空が見えたこと。先日市営住宅に引越した知人のお宅に遊びに行った。その部屋は12階建ての7階にあって、ベランダからは見たこともない大きくて、広い空が見えた。普段の生活で垣間見る空は猫の額ほどの広さで、空の存在を特別意識したことなどなかった。7階と言ってもその環境は様々だが、ベランダのむかいには小学校の校庭と中学校のグランドがあり、その向こうにあるのは市営の野球場だ。やけに緑が多いなあと思ったら、野球場の隣は公園だった。目の前に何も遮るものが無いので、知人の部屋は物凄く風の通りがいい。南と北両方の窓を開けっぱなしにしておけば、エアコンは必要ない。ベランダに立って、外を眺めていたら、少しだけ鳥の気持ちがわかったような気がした。

 三つ目は、朝の散歩中に出会った老婦人に「おはようございます」と挨拶されたこと。高齢になっても朝ウオーキングしている人はよく見かけるが、歩行器で頑張っている人はそうはいない。その人はカートみたいな歩行器につかまって、一生懸命歩いている。雨の日もレインコート姿で歩いていて、自分なりにこだわりがあるようだった。もちろんすれ違うこともたびたびあったが、知らない人なので挨拶はしなかった。ある日、その人が雨の中で私に何か言うのが聞えた。よく聞いてみると、それは「おはようございます」だった。

mikonacolon