人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

コロナ禍のショッピングセンター

f:id:mikonacolon:20210907211739j:plain

▲スペインのレオン県にあるアントニ・ガウディによるアストルガ司教館。NHKまいにちスペイン語テキストから。

久しぶりに町へ出たら、人がいないことに驚いて

 コロナウイルスによる感染拡大で、できるだけ出歩かないようにして生活してきました。でも先日ふと思い立って隣町にあるショッピングセンターに行ってきました。コロナが流行して以来行っていなかったので、たぶん2年ぶりでした。移動しない方がいいのに、なぜ行こうという気になったのかというと、鏡に映った自分の姿が何だかパッとしなかったからです。つまり自分が着ている服がだいぶ古ぼけてきたと感じたのです。今ままで気にもしないで着ていた服に嫌気がさしたので、思い切って捨てることにしました。新しい服を買ったら、気持ちまで変わる気がしたからです。

 そう思ってみたものの、私の心ときたら「めんどくさい」だの「あんな遠くに行きたくない」だのとケチをつけるのでした。どうやら長引く外出自粛のせいでだいぶお尻が重くなってきたようです。それでも悪態をつきながらも家を出ました。以前なら1時間ほどの距離を歩くのは平気なのですが、今は状況が違います。正直言って歩きたくないのですから、電車で行くより仕方ありません。それに実を言うと、私は買い物はあまり好きではないのです。理由は選ぶのに疲れるからで、その割には自分の欲しい物が見つからないからです。

 さて、ショッピングセンターの玄関を入ると、すぐにパン屋があったのを思い出しました。ちょうどお昼の時間なので大勢のお客さんで賑わっているかと思ったのですが、誰もいません。予想外に静かすぎて近づくのをためらってしまいました。ふと見ると確か以前はテイクアウトのコーヒーのコーナーもあったのですが見当たりません。それにこのショッピングセンターの中にはイートインのスペースもありました。スーパーやお店で買った物が自由に食べられる場所で誰でも利用できました。でもその場所には「コロナの感染拡大防止のため閉鎖します」という張り紙が貼られていました。しかもまるで工事中のように中が見えないようになっていて、誰一人入れないように囲いがしてありました。今まで感じたことがなかった異様な、人が近づけないような雰囲気に驚かされました。

 子供たちがいつも遊んでいたゲームコーナーもなくなって、あるのは飲み物の自動販売機だけでした。買い物の休憩用に置かれていた椅子も取り払われていました。肝心の買い物の方は人がほとんどいないせいか、洋服の試着も何回でも自由にできました。普通なら試着室が2つしかないので順番を待たなければならないのにその時は独占できました。こんな店内は今まで見たことありません!。試着室に居たら、聞き耳を立てているわけでもないのに、誰かの話している声がやたら大きく聞こえました。近くで商品を見ているお客さんかと思ったら、それは少し離れた所にあるレジの中に居る店員同士の話声でした。彼らの話の内容まではっきりと聞こえるほど、静かで人の流れがない空間なのでした。

 店内にはお客は私を含めて2~3人しかいませんでした。洋服を3着ほど選んでレジで会計を済ませると、なんだか居心地が悪いのでさっさと店を出てしまいました。以前なら買い物の後にお茶をするのですが、今となっては過去のものになりました。コロナ禍でいったんそれまでの習慣が中断すると、容易に元には戻れないものなのだと実感しました。久しぶりにショッピングセンターに出かけたおかげで、いい気分転換になったのは事実です。でもそれ以上に現実の厳しさに直面して目から鱗でした。

mikonacolon