人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

歯科治療費が高額なのに仰天

 

日本人でよかった!と一瞬思ってしまった

 先日、新聞に載っている海外リポート『世界の街角』を読んでいて仰天してしまった。それはワシントンに駐在している特派員からの報告で、歯科治療の話だった。なんでもその人はお昼にいつもの店で買ってきたフランスパンにかぶりついていた。そしたらなんとバキッという音がしたそうだ。嫌な予感がしたが、それは見事に的中し、前歯が折れた。慌てて、近くの歯科医院に駆け込んで、セメントでくっつけてもらった。それに何と4万4千円もかかった。

 ただ食事をしていただけなのに前歯が折れたことにもびっくりしたが、歯科治療費が馬鹿高いのにも二度びっくりした。どこかにひどくぶつけたわけでもないのに、なぜそんな簡単に!?歯が折れてしまうのか。その原因として思い当たるのは、おそらくこちらの食事はなんでもかぶりつくものが多いからだ。例えば、ステーキ、骨付きチキン、ピザなど、想像以上に歯に負担がかかっていたらしい。もちろん米国に赴任する前に歯科治療は日本で済ませたはずだった。「米国の歯科治療は高いから行かないほうがいいよ」という話は噂に聞いていたからだ。なのに現実は一番「恐れていたことが起きてしまった」のだ。歯が折れて痛い目に、さらに「懐も痛くて」二重の痛みを経験した。まさに”泣きっ面にハチ”とはこのことだ。

 だがそれだけでは済まなかった。歯医者に行ったら、無いはずの虫歯まで見つかり、おまけに神経を取る治療が必要だという。米国では普通の歯医者は神経の治療はしない!?ので専門医に見てもらう必要があった。そこでの診療費はなんと、目玉が飛び出るような額で約30万以上もする。米国での医療費の馬鹿高さは噂には聞いていたが、一番身近な歯の治療にもこんなにも天文学的な額のお金がかかるとは!普通の人は一体全体、どうや払っているのだろうか。これでは歯医者に行くことすらできないではないか。そもそも虫歯はいくら日頃から注意していても、できてしまうもので、しかもお金がないから、歯医者に行くのをやめとこうだなんて、本当にそんなことができるのだろうか。到底我慢できるものではないだろうから、行くしかないではないか。

 幸運にもこの特派員の人はひとまずお金を自分で立て替えて、後で日本の保険組合に請求すれば済むのだ。一時的には懐は痛むが後から戻って来るからまだましなケースと言える。そう言えば、日本の高額治療費の請求のシステムと似ているなあとふと思った。もっともあれは保険組合にお願いして、保険証を発行してもらわなければならないが、そんなに手間暇はかからない。もちろんひとまずは自腹で払わなければならないが、すぐに戻って来るので、あの制度を利用しない手はないのだ。

 なぜ歯科治療の話題を取り上げたかと言うと、今まさに自分が神経の治療をしている最中だからだ。いや、正確に言うと、過去にも経験があるからこそ余計に気になってしまうのだ。実は昨日、歯医医院で麻酔をかけて神経を取って貰った。麻酔が冷めた時、人によっては激しい痛みが出ることがあると言われたが、今回は何も感じなかった。そもそも神経の治療をしなければならなくなった原因は知覚過敏だった。だいたいが知覚過敏というのは一時的なもので、普通は治療は必要なくて、経過観察で済むことが多い。だが、痛む頻度が多くなると、これはもう神経を取るしか方法がないと先生に言われてしまった。

 本当は先週処置してもらうはずだったが、不幸にも麻酔が効かなくて、先生が器具で風を少し吹きかけただけでも、歯が染みて痛みを感じてしまった。「こんな状態では今日は何もできません。神経が興奮してしまっているから、麻酔が効かないんです」と説明され、「ひとまず、神経を落ち着かせる薬を塗って置くので、様子を見ましょう」ということになったわけだ。ただ、先生は「もし、どうしても麻酔が効かないようなら、思い切って神経に直接麻酔を打つこともあり得ます。その時は物凄い痛みを伴いますけどね」などと怖いことも言うのだった。なので、昨日は地獄に突き落とされるような荒療治!?もあり得ると覚悟を決めて歯科医院の扉を開けた。緊張のあまり心臓がドキドキしてきた。だが、いざとなったら、日頃の行いが良いのか、神様が味方してくれたのか、ちゃんと麻酔は効いてくれたのだ、本当に感謝しかない。そこで気になるのは治療費の額だが、2450円だった。日本人でよかった、と痛感した。

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