人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

厳しい寒さに歯が悲鳴

予期せぬ事態に呆然として何も考えられない

 今朝、いつものようにICレコーダーの目覚まし機能で、NHK第一のニュースが聞こえてきた。だが、その時の私の正直な思いは「もっと寝ていたい。あと1時間ほどでいいからねていたいのに」だった。実は昨日は予期せぬ事態に驚き、何がどうなっているのかさっぱりわからず、「なぜ?」を考える事すら放棄してしまった。起きてしまったことになんだかんだのということは”時間の無駄”だと判断したからだ。

 昨日私は予約でもないのに終了間際の歯医者に駆け込んだ。なぜかと言うと、右上の歯茎が腫れて、痛みを伴い、食事をとるのも煩わしくなってしまったからだった。それに顔を洗って、タオルで拭くときに右の頬っぺたが腫れているのか何やら少し痛い。それでもただ歯茎が腫れただけだからと軽く考えていたら、えらいことになった。先生に「顔が腫れているじゃないですか。これはいつもの歯茎の腫れとは違いますよ」と驚かれて、不安でいっぱいになった。現在治療中で仮歯になっている右上の歯の隣の歯が、どうやら顔が腫れた原因のようだった。その歯の根っこにある膿を取り除かなければ、顔の腫れも引かないし、当然痛みも消えないと先生は言う。

 そもそもどうして治療中の歯の隣の歯が膿んでしまうのしまうのか。それについては先生は「神経を取った歯の隣の歯の神経が死んでしまっているからですよ」と信じられないことを宣う。何らかの原因で、隣の歯の神経が壊死し、膿んでしまうことは珍しいことではないという。そう言えば、最近私は家で寒さを感じることが多かった。水道の水が冷たいのはもちろん、家事をしたり、掃除をしたりして動いていても、それでも身体は一向に温まらず、寒かった。要するにそういう時はさっさとエアコンを付ければいいだけのことなのに、節約にこだわって大丈夫だと強がっていた。

 そんなことをしていたせいで、寒さにより敏感な歯の神経に影響を及ぼし、もう少しで終わりだとばかり思っていた歯科治療がまた長引いた。過去に治療した隣の歯の被せ物を外し、根っこに溜まっている膿を長い針でゴシゴシやって取り除かなければならない。被せ物を外すのは破片が飛び散らないように水を噴射するので、顔に少し水がかかって寒い季節には辛い。数分かかってやっと被せ物を外したら、今度は根っこの膿を除くために直接神経に麻酔薬を打つのだが、これが思わず声を上げてしまうほど痛い。どうにかならないものかと思っていたら、麻酔が効いたのか針で触られても全く何も感じなくなった。

 最後に神経の内部に針を刺したまま、確認のためにレントゲンを撮った。膿の取り残しがあると麻酔が冷めたときに痛みが出やすいので念のための処置なのだと先生は説明する。これでもう顔の腫れは落ち着くはずだし、痛みも99%出ることはないだろうと言われてホッとする。そうでなければ、先生はまああり得ないことだがと前置きして、大学病院の口腔外科で抗生物質の点滴を受けなければならない。でも普通は強めの抗生物質を一日一回必ず3日間飲めば症状は落ち着くので何の問題もないのだと言う。これから帰って夕食後に飲めばいいと言われたが、もう時計は8時を過ぎていた。帰宅途中、自動販売機でコーンスープを買って飲んだ後、急いで薬局で貰った抗生物質を2錠飲んだ。

 歯医者の帰り際に早く行かないと薬局が閉まってしまうからと送り出されたが、いつもの薬局はまだ開いていた。普段は気にも留めなかったが、あんな時間まで誰かのためにやっていてくれることに感謝した。幸いなことに、今は顔の痛みは無くなりつつあるし、先生が言った通り麻酔が冷めた後もほとんど痛みはなく、疲れもあってか安眠できた。だが、予期せぬ歯のトラブルを経験して、また一つ宿題を課された気分になったことも確かだ。外が寒いのは当たり前として、自分の家の中を寒く感じるのをなんとかできないものだろうか。

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