人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

私の歯の運命やいかに

特別お題「わたしの2022年・2023年にやりたいこと

年末に歯のトラブル、どうしてこんなことに

 自慢にもならないが、小学生のとき新学期の歯科検診ではいつも褒められた。歯科の先生が必ず私の口の中を診た後、「これはいい歯だ」とひとこと宣った。勉強ができるわけでもなく、運動神経など皆無の私が唯一誇れるのは歯だった。褒められるのは嬉しいが、歯に関しては何も特別なことをしていたわけではない。当時父親が子供が好きそうな、イチゴ味やメロン味の歯磨き粉を買ってくるので、喜んで磨いていた。それも歯磨きチェックがあるわけでもなく、完全に子供まかせのいい加減な歯磨きの仕方だった。そんな体たらくでも、歯が褒められることを、何を勘違いしたか自分の歯に勝手に自信を持ってしまった。

 中学生までは歯医者とは無縁な生活を送った。だが高校生になって夜更かしをするようになり、夜遅くまで起きているとお腹がすくので当然何かを食べる。そうなると歯磨きをスキップするようになり、そのうち歯が痛むようになった。歯の痛みと比例するように体重も増えた。その時初めて何もせず放って置いたら、虫歯になるのだと思い知った、もう遅いのだが。要するに私の歯はたいして特別な歯でも何でもないことが分かった瞬間だった。

 大人になって心を入れ替えた私は歯医者に定期的に行くようになった。先生はいつも「歯のメンテナンスにゴールは無いんです。だから定期検診が欠かせないんです」と口を酸っぱくして仰る。だが、真面目に通っている私も時に理不尽な目に合うことがある。それはどんなに歯科医院に通っていても虫歯は無くならず、しかも今回のように歯茎が腫れてしまうことだ。先生に言わせると、それは私の口の中にいる細菌のせいなのだそうだ。これは持って生まれた私の体質でもあり、嘆いてもどうにもならないことなのだ。以前CMなどで見たことがある”お口クチュクチュ何とか”という口の中を殺菌するうがい薬のことを尋ねてみたことがある。「あれを使ったら、少しは口内環境が良くなりますか」。だが先生の返答は私が期待したものではなかった。「使いたかったら使えばいいんじゃないんですか」などと歯切れが悪い。たいして効果を信じていないらしいのが見て取れた。

 今回歯茎が腫れたことにより、知覚過敏で神経を取った歯の治療が遅れてしまった。だいたいが知覚過敏なんて、誰でも感じる?症状だと思っていた。その場限りですぐに忘れてしまうようなものだと高をくくっていたら、全然そうではないことに愕然とした。どうしても痛みが収まらない場合は「神経を取っちゃいますから」と先生はいとも簡単に言うが、こちらはできることならごめん被りたい。何回か様子を見ているうちに時間だけが過ぎていく。痛いのは痛いがなんとか食事はとれる。でもこのままずうっと痛みが続くのは耐えられないレベルの痛み、それが知覚過敏の痛みだった。

 右側の歯茎全体が腫れて、噛めなくなった私に先生は抗生物質と痛み止めを処方してくれた。特に抗生物質は3日間は必ず飲み切るように念を押された。先生の言いつけを守ったら、年末最後の診察日には歯茎の腫れは引いて、右側で普通に噛めるようになった。ただ、この先また腫れがぶり返すのではという不安もあったので、もしまた腫れるようなことがあったらどうしたらいいのか聞いてみた。すると、先生は「99%はそんなことは起きないと思うが、その時は残っている分のクスリを飲めば大丈夫」と自信満々に答えてくれた。

 そして迎えた年末年始、先生の言葉通り歯茎の腫れは嘘のようになくなった。考えてみると、今のところ、私は身体のどこも悪いところはない。頭痛も滅多にないし、腰痛やひざ痛とも無縁だ。だが唯一の悩みが歯に関することだ。入れ歯にすれば歯周病も虫歯もないし、楽なのではとも思ったことがあるが、先生にとんでもないと怒られた。「自分の歯以外に食べ物を美味しく食べられる歯なんてありませんよ」というのが先生の口癖だ。いずれにせよ、2023年はまた歯科医院に通うことになりそうだ。

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