人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

サンクトペテルブルクで買ったTシャツ

今週のお題「お気に入りのTシャツ」

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▲これまでロシアの名所旧跡のTシャツには興味がありませんでした。それなのに去年行ったときは1枚買ってしまいました。マトリョーシカのとどちらかにするかで迷った挙句にこの「血の上の教会」を選びました。買って正解でした、2024年まで海外旅行は無理そうですから。

ビザを取るのに必死で

 初めてロシアに行ったのは2007年でまだ日本でビザが取れない時代でした。ビザを取るためにバルト三国ラトビアに行きました。ガイドブックにロシアのビザを扱う旅行社があるとの情報が載っていたからです。早速メールで連絡を取ったら、朝申し込んだら夕方にはビザが取れるというので行ってみました。無事にビザは取れたのですが、料金が最初決められた額とはあまりも違っていたので驚きました。ですが迷っている時間はないので220ユーロも払った記憶があります。その時はもうお金じゃないのです!何としてもロシアに行かなくちゃ!との藁にもすがる思いからでした。当時1ユーロが170円ぐらいですから、まさに痛すぎる出来事でした。

軍服を着た係官が乗り込んで来て

 ラトビアからエストニアのタリンまでバスで移動して、翌日サンクトペテルブルク行きのバスに乗ることにしました。トイレ休憩をはさんで8時間かかるのですが、車窓を眺めながらの旅は快適でした。その自由な雰囲気が急に変わったのは、ロシアとの国境に差し掛かった時でした。急にバスが停まって何事かと思ったら、軍服を着た係官が乗り込んできて全員のパスポートを集め始めました。ニコリともせずに真面目な顔をしているせいか、こちらはなんだか緊張してしまってドキドキしました。以前、たしか映画「ジュリア」でジェーン・フォンダがある目的のために列車に乗っていました。ポーランド国境で係官がやって来た時、彼女の思いつめた表情と係官の厳しい態度に一瞬空気が凍り付きました。まさに映画でしか見られないような場面が目の前で展開されていたわけです。

 全員のパスポートを集め終わると、今度は自分の荷物を持ってバスを降りるように言われました。バスはどこかに行ってしまい、乗客は入国管理局の施設で待つしかありませんでした。よく見ると、ここでは荷物検査もできるようになっているのですが、さすがに一人づつ審査することまではしないようです。あるいは、以前は実施されていたが時間がかかるのでやめてしまったかもしれません。

 トイレに行ったりして時間をつぶしていると、ようやくバスがやってきました。バスに乗り込むとすぐに係官がやってきてパスポートを返してくれました。ふと窓から外に目をやると、そこには人々の長蛇の列がありました。目の前には入国管理局の建物があり、その扉の前でじっと自分の番を待っているのだとわかりました。日本人の私には国境というものがよくわからないのですが、この時ほど国境の風景を身近に感じたことはありませんでした。

ロシア人男性の職業第一位は警備員!?

 さて、サンクトペテルブルクのホテルに入ろうとして、気になったのは玄関でうろうろしているスーツ姿の3人の男性でした。実は彼らは日本の時代劇で言えば、用心棒、つまり警備員だったのです。カードや暗証番号でセキュリティが万全の今の世の中からは想像もつきません。でも当時のロシアはホテルのみならず、ショッピングセンターに至るまでどこにでも警備員がいたのです。それくらい警備員が多かったので、ロシア人男性の職業の第一位は警備員なんて冗談とも本気ともつかないことが言われていました。最初は煩わしく感じられた彼らですが、慣れてくると安心感があって空気のような存在になりました。ある日、ロシアで有名なドラッグストアに行ったらスーツ姿の男性が買い物かごを渡してくれました。もちろん素直に受け取るのですが、実はこれ人間の心理を巧みに利用した経営者の戦略だそうです。人はかごを渡されると、それをいっぱいに満たしたい衝動に駆られるとか。かくいう私もこの時とばかりに入浴剤をあれこれと詰め込んでしまったので当たっているかもしれません。

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