フランスのカフェに客がいない!
フランスのある地方都市での出来事です。
その日は、列車の乗り継ぎの時間が2時間ほどあったので、知人親子はどこかで休むことにしました。
ちょうど駅前にカフェがあったので、そこのテラス席に座ろうとして、気づいたのですが、お客が誰もいないのです。
駅前といっても日本の鉄道駅のごちゃごちゃした「駅前」を、想像しないでくださいね。
フランスの地方都市の「駅前」は緑豊かな公園のようになっていて、とても落ち着ける空間になっているのです。
真夏なのですが、緑の木陰でちょっと休憩でもすれば気持ちよく過ごせます。
そんな理想的な環境なのに「なんでお客がいないの?」と困惑していると、娘さんが
「あっちに人が大勢いるよ!」と叫びました。
それで娘さんが指さしたほうをよく見てみると、そこにはハンバーガー屋があって、テラス席は満席状態でした。
ハンバーガ屋に負けたフランスのカフェ❓
そのハンバーガ屋はたしかマクドナルドではなくて、日本で聞いたことのない名前だったそうですが、とにかく繁盛しています。
その理由はすぐにわかりました、だって値段が安くてパンも大きくてお得だからです。
ちなみに、カフェのクレープは大きなお皿の上に、小さく折りたたんだ三角の物体です。
それに申し訳ないくらいのチョコクリームがのっています。
でもそのお値段は、立派で1200円くらいで、ふたりで頼めば2400円となります。
それに飲み物も頼むとなると、と頭で計算をした結果、親子は「フランスらしく」を捨てて、安くてお得なほうを選びました。
その時食べたハンバーガーは、素材がよくて、日本のモスバーガーと同じくらいおいしかった思い出があるそうです。
多数決が正しいとは思わないけれど、やっぱり、大勢の人々の判断というのは説得力がありますね。
住民がマクドナルドを追い出す
マクドナルドといえば、フランスのある州で、住民がマクドナルドの進出を拒否したという記事を思い出しませんか?
フランスは世界に名だたる農業大国なので、農民は自分たちの作る農産物に自信と誇りを持っているのです。
だから、マクドナルドのような安い食べ物が入ってきて、自分たちの生活が脅かされるとなれば、黙っていないのです。
誰にだって、あることに対して「反対」ぐらいはできると思いますが、断固として拒否して、最後には「追い出してしまう」なんてことは奇跡だと思います。
だからこそ、フランス人ってすごいなあ、と思わずにはいられないのです。
mikonacolon