人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

コロナで卒業式はひっそりと

今週のお題「〇〇からの卒業」

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それでも卒業式は静かに行われて

 また季節は巡り、3月も半ばを過ぎて桜の季節になりました。桜と言えば、卒業式になくてはならないもののひとつで、友達と桜の木の下で写真を撮ったものです。残念ながら、今も依然としてコロナウイルスは終息の兆しが見えないままです。去年に続いてまたもや、卒業式の装いで華やいだ街を見ることはできないのです。この季節の楽しみは何と言っても女子学生の袴姿で目の保養になります。綺麗に着飾った彼女たちを、いいえ、彩も鮮やかな着物をうっとりと眺めるのが楽しみでした。冬の殺風景すぎる街がその時だけはパアッと明るくなって色づき、もうすぐ暖かい春が来ますよと教えてくれます。袴姿にも人それぞれ個性があって、派手な色を好む人もいれば、落ち着いた地味な色を着ていて、こちらが若いのにどうしてと驚かされる人もいます。

 驚かされたといえば、まだコロナが流行る前の3月のある日、小学校の近くでお団子頭に袴姿の人を見かけたのです。その時私はてっきり女子学生だとばかり思ったのです。ところが、よく見てみると背が小さくてどう見ても小学生にしか見えません。まるで七五三の時のようにちゃんとお化粧し、赤い口紅もつけているので、思わず「可愛い!」という言葉が口から出てしまいました。大人ではない小学生の女の子の袴姿を見るのは初めてだったので新鮮でした。もちろん母親と一緒なのですが、私の頭の中にある公立小学校の卒業式のイメージには女の子の着物姿はありませんでした。でも、考えてみると、確かに服装は自由でいいことになっているので文句のつけようがないと思うのですが、あまり華美になりすぎても問題です。だから今まではみんなそれなりに、今話題の言葉で言うと、「わきまえていた」わけです。しかし、当の子供が「どうしても袴姿で行きたい」と望んだら、親としてはどうするべきか。当然目立ってしまうのですが、それでも構わないと本人が言うのならその子の意志を尊重すればいいとも思うのです。正直言って、目撃した時の感想は「今の世の中は着物もありなのか?!」だったのですが、自分の石頭をガツンとやられた気もしたのです。

 残念ながら、私自身は小学校の事情に詳しくないので、本当のことはよくわからないのです。もしかしたら、私が見た女の子の他にも袴姿の子がいたかもしれない。今の小学校の卒業式は昔とは違うのかも、などと勝手なことを考えていたら、想定外の出来事が起こりました。そう、コロナウイルス感染症が流行り、校門前に堂々と「卒業式」と立派な文字で書いた看板が出せなくなったのです。ある日、いつものように小学校の前を通ったら、何人かの人達、たぶん親たちが子供を待っていました。最初何事かと思ったのですが、彼らの話からするとその日はどうやら卒業式のようでした。密になってはいけないので、親は抜きで子供だけで卒業式が行われているのでした。従来のような卒業式らしい式はできなくても、卒業する子供たちにとっては卒業式の中止はありえません。きっと彼らにとっては忘れられない出来事になるのはまちがいないでしょう。

 そう言えば、近所の美容院もこの時期は毎年忙しそうなのにひっそりとしています。気軽にふらっと行きたいのに事前予約が必要になり、敷居が高くなってしまいました。こんな状況でも、私の知っている若い人たちは卒業を人生の大イベントとして捉えています。彼らは着物をレンタルし、袴姿で記念写真を撮って自分たちなりに楽しんでいます。どんなに制限された世の中でも、楽しむことを忘れない姿勢を見習いたいものです。

mikonacolon