人生は旅

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バスタイムの楽しみ方は変わる

今週のお題「お風呂での過ごし方」

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▲フランスのシャルトル大聖堂NHKまいにちフランス語テキストから。

時代と共にお風呂の楽しみは変化して

 振り返ってみると、高校の頃のお風呂での楽しみは頭を洗うことでした。つまり髪の毛のケアが最重要課題で、テレビのCMで宣伝しているシャンプーとかリンスとかを試してみることでした。CMで有名な女優さんやスタイル抜群で憧れのモデルさんが、輝くような美しい髪を披露しているではありませんか。あの製品を買って使ったら、自分もあんな風になれるかもと信じて疑いませんでした。顔やスタイルは彼女たちのようにはなれなくても、せめて髪だけでも綺麗になりたいという夢を見ていました。当時はシャンプーやリンスが髪の汚れをとり、髪に栄養を与えてくれるのだと固く信じていました。

 それに当時のシャンプーやリンスはとても匂いがよくて、バラやアカシヤの花の香りがしました。だからか、たいして効果もないのにやたらと量を多めに使い過ぎてしまうこともありました。ボトルの注意書きに「よくすすいでください」とあるのを無視して、もったいなくて、ついつい中途半端で済ませていました。ライオンや花王資生堂といった会社から次から次に新製品が出るので、様々な香りを試して楽しんでいました。髪の毛もほとんど毎日のように洗っていたのですが、そんな中で同じクラスの高間さんという女の子が皆が仰天するような発言をしたのです。それは「髪の毛はそんなに毎日洗うものじゃないわよ」で、彼女に言わせると、「髪の毛は1週間か10日に一度洗えば十分」だったのです。その時は友達も私も皆彼女の言うことをまともには信じられませんでした。彼女の言葉の本当の意味がわかるのは、もっとずうっと後で、擦れた大人になってからでした。

 今となっては高校の頃あんなに髪の毛の美を追求していたなんて、どうかしていたとしか思えません。そう言えば、友だちと話をしてしていたら「昨日は気が付いたら、お風呂に1時間以上もいたの!」だなんて聞かされたことがありました。呆れながら、「いったい何をしていたの?」と尋ねたら、なんと小説を読んでいたのです。面白過ぎて、続きが読みたくて、お風呂から出るのが嫌になる本なんてある?と一瞬思ったら、それは推理小説でした。その頃の彼女のお気に入りは外国の有名な作家の手によるミステリーでした。アガサ・クリスティーエラリー・クイーンコナン・ドイルといった推理小説の名手の本を愛読していたのです。もちろん、彼ら作家がいかに素晴らしいか、自分だけの胸にだけしまっておくことなどできるわけありません。当然自分の周りにいる友だちにも無理矢理薦めて読ませてしまうのでした。幸か不幸か、私もそんな運命を受け入れたひとりだったのですが、読んでみるとこれが感動ものでした。食わず嫌いで近づけなかっただけで、新鮮な驚きを味わう機会を与えてくれた彼女に感謝したくらいでした。

 そう考えると、お風呂でミステリーを読むのはなんだかわかる気がしたのです。お風呂には入りたい、でも本も読みたいとなると実に悩ましい。そうか、ふたつ同時に実行するにはどうすればいいのか。そう考えると、自然とお風呂で本を読もうということになるのでは。なにもお風呂に入ってまで本を読まなくてもと本音がついつい出てしまいそうになった時、「一度やって見なよ。気持ちよくて、新鮮な気持ちになれるよ」と誘惑されそうになりました。

 さて、現在の私のお風呂での過ごし方は、昔のように髪の毛のケアに情熱を注ぐのはもう卒業して、ただ湯船に浸かってのんびりするのが日課になりました。もう何年も前に調子に乗ってリンスを使いすぎて、そのあげくに髪の毛がゴソッと抜けてしまったことがあったんです。それで悩んだ時期もあって、最初は髪の毛がゴワゴワして嫌だったのですが、リンスを使うのをやめてしまったのです。それ以来、リンスはおろか、シャンプーまでも使わない生活になりました。

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