人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

ホテルの従業員の本音

聞いて驚いた、客室清掃員の気持ち

 先日、ラジオを聞いていたら、リスナーの人が電話で参加している番組があった。インタビューのような形でMCから質問されていた。その中で、職業に関する質問もあって、その男性はホテルに勤めていて、主に客室の清掃をするのが仕事だ。勤めているホテルは湘南にあるリゾートホテルで、夏ともなれば、大勢の人で賑わう。「客室の清掃って大変ですよね。何か言いたいことはありますか?」と番組のMCが尋ねると、その人は「部屋にあるシャワーを使って欲しくないんです」などとふざけた!?ことを言うのでMCは仰天し、笑いが止まらないようだ。それでも、すぐに「ええ~!?それってどういう意味なんですか?あれはお客さんが使うためにあるんじゃないんですか」と畳みかけた。

 すると清掃担当の男性は「うちのホテルには大浴場と言うものがあるんです。だからお客様にはそちらを使って欲しいんです」などと言う理屈を並べた。それを聞いていた私も、どちらを利用するかはカラスの勝手で、そんなの、お客の自由でしょうと言いたかった。まあ、普通に考えれば、ちゃんとした大きな広々としたお風呂があるのに、どうして狭苦しいシャワー室で済ませるのか、疑問に思ったとしてもおかしくない。確かにそのタイプの人は少なからずいる。昔、グループで旅行に行った時、私たちが、「大浴場に早く行こうよ。気持ちいいよ」と騒いでいたら、ひとりだけ、「私はシャワーで済ませるから行かない」と拒否した人がいた。その理由は無理には聞かなかったが、あくまでも私の想像なのだが、人前で裸になりたくないのではないかと思う。それにはその人なりの訳があるのだ。

 ホテルの清掃担当がシャワー室を使って欲しくない理由を聞いてさらに仰天した。シャワー室を掃除するには大変な手間と労力がいるらしい。上司からの指令で「砂一粒でも残すな。水滴一粒も残すな」と強く命じられているのだ。濡れた浴室を綺麗に掃除し、次のお客さんが不愉快な思いをしないようにするのが彼らの仕事だ。しかし、いくら仕事と言っても、大変な思いをするよりはラクな方が良いに決まっている。普通部屋の掃除は1時間程度かかるが、シャワー室がなければ、45分で終わらせることができる。本音としては掃除は効率よく済ませたい、だから心の中では「大浴場を使ってくれればいいのに・・・」といつも思ってしまうのだろう。

 自分がもし清掃担当の立場だったとしたら、こう思うのは人間なのだから無理もないと納得する。今まで私は掃除する人のことを少しでも考えて、ホテルの部屋を使ったことはなかった。ただ、部屋を出るときには、迷惑をかけないように、掃除しやすいようにゴミはまとめて置くようにした。だが、彼らの仕事なのだから当然としか思わず、彼らがどう思うのかなんてお構いなしだった。

 「どんなお客さんが嫌ですか。今までで、一番嫌だったことは何ですか」とMCが質問した。すると、「ゴミを部屋のどこかわからないところに隠す人がいるので、それが一番迷惑だからやめて欲しい」と答えたので、「隠す」ってどういうこと?と疑問が湧いてきた。清掃担当者の説明によると、人目に付きにくい所、例えば、ベッドとスプリングとの間にある隙間にゴミを詰め込んで帰る人がいるらしい。いったい何を考えているのだろう?信じられない行為だ。それこそ忙しい時には手間がかかって、後から疲れがどっと出てしまう。「じゃあ、ゴミは一番どうするのがいいんですか」「部屋の真ん中の目に付くところにまとめて置いてください」とまあ、そんなやり取りを聞いたので、これから自分がホテルに泊るときの参考になった。

 考えてみると、私も海外のホテルに泊ったとき、いろいろなものを隠した。ゴミではないのだが、日本から持ってきてもう読み終えて荷物になるだけの本とかを何冊か、タンスの引き出しの奥にこっそり置いてきた。全然気づかなかったが、あれも迷惑行為だったのだろうか。

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