人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

大人はどうあるべきか、子供が教えてくれる

今週のお題「大人になったなと感じるとき」

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コロナ禍にあっても子供は楽しみを見つけられる?

 新聞の投書によると、小学生が選んだ2020年の漢字は「笑」「幸」「新」(朝日新聞の12月26日の記事)とのことです。投書の主はこの信じられないような結果に困惑しているのです。もちろん、私も「嘘でしょう!」とびっくり仰天し、続きを読んでみると、自分の小学5年生の娘さんに聞いてみたというのです。そしたら、我が娘があろうことか、「楽」かなあ、というので、気は確か?、どうして?とやたら質問ぜめにしたくなってしまった。思えば、休校中に家族で料理を作って、家族で食べたこと、あれが楽しい経験になったのかなあ。今まで子供も大人と同じように感じているとばかり決めつけていたけど、それは大間違いだった。まさに目から鱗だった。このコロナ禍をネガティブに、深刻にとらえてしまうのは大人だけだったのだ!子供はどんな状況でも自分なりの「よかった」を見つけられる天才なのかもしれない、と気づかされたそうなのです。考えてみれば、子供は大人にはわからないものを面白がる傾向があるようです。それは昔は子供だった大人が忘れてしまった、何にでも感動する心なのかもしれません。

 大人が辛い状況にあっても「楽」を感じる子供が大人をどう見ているか、以前知人から興味深い話を聞きました。知人の息子さんが小学生だった時のことです。新学期が始まり、校長先生が定年で辞められて、新しい先生が赴任されました。今度は女の校長先生なので、知人は興味津々で子供に、「今度の先生はどんな人?」と聞いてみました。すると、「アツコ(校長先生の名前)はいつもお説教ばかりするよ」と嫌な顔をするのです。「廊下は走らないで静かに」とか「勉強を頑張りましょう」とか、朝礼の時に聞かされるので、みんなウンザリしている。子供だってそんなことはよくわかってる。だからそんなにストレートに言うなよと言うわけなのです。

子供が植物の話に耳を傾ける

 確かに、子供の言い分もわかるので知人は息子の話に口は出さないのです。すると、聞いてもいないのに「その点で、前の校長先生の話はよかったよ」と意外なことを言いました。子供にそんな風に言って貰える大人の話は果たしてどんな話なのか、想像もつきませんでした。でも、それはなんてことない、植物の話で、とても子供が喜びそうもないのではと一瞬思いました。でも子供は、「今まで自分が知らなかったことを教えてもらえるので、退屈しないし、面白かったよ」と懐かしそうです。それに植物の話を聞いているとはなんだか心が落ち着くのだそうです。事実、この校長先生は子供に人気があったし、生徒が朝登校して来るときはいつも掃除をしていて、生徒と挨拶を交わすのが日課でした。朝礼で話すことは教育には直接関係ない話だったにも関わらず、子供はちゃんと聞いていたなんて、どんな話なのか聞いてみたい気がします。知人も当初は校長先生の話の内容を聞いてみたい誘惑にかられました。でもあまり根掘り葉掘り聞くのは子供が嫌がるので思いとどまったのです。それにしても、植物の話を面白がって聞くという子供の不思議さ、大人が見たこともない別の側面を子供は持っているようです。

 どうやら、子供は大人に、直球を投げて物事を解決しようとしてもそうは行かないと教えてくれているようなのです。子供でさえ言われなくて誰もがわかっていることをズバリ言うのではなく、もっと遠回しに言ってくれと言いたいようなのです。つまり大人にもっと頭を使って納得できるような形を示せと言っているみたいです。例えば、車を売りたいときに、お客にいきなり車の説明をしたら、誰もその人から車を買おうとは思いません。まずは世間話から始めてお客と仲良くなること成功の秘訣なのです。車を売ることは、自分を好きになって貰うことを意味します。そういう意味で教育の現場においては子供から好きになって貰える大人になることが大切なのではないでしょうか。

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