人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

それはズバリ、口の中

今週のお題「きれいにしたい場所」

綺麗にしたいが、よく見えない

 私にとって、きれいにしたい場所は五万とあるのですが、すぐに思い浮かんだのは、口の中です。つまり歯に関連したことなのです。それはこれまでの苦い体験と、これからも続く苦難の日々を如実に物語っている発想なのです。ここのところ、歯医者で経過観察で済んでいたのに気をよくしていい気になっていました。だが、そんな穏やかな日々は歯医者の先生の一言で終わりをつげ、またまた歯科治療の憂鬱な日々を送らなければならなくなりました。上の左奥歯に、何と2本の歯に虫歯が見つかったのです。念のため「レントゲンを撮りましょうか」と先生に勧められてわかったのです。もっともその2本は差し歯なのですが、差し歯にしたからと言って安心できません。持ち主の知らない間に、虫歯は進行するので、油断大敵です。

 かくして、今の差し歯を外すのに身の毛もよだつあのギイ~ンギイ~ンという振動を我慢し、やっとのことで差し歯が外れました。それからは俎板の鯉のごとく、先生にお任せし、本場の型どりをしました。コスパを重視する先生は、定期検診で虫歯が見つかった時点で、用意周到に借り歯を作っておきました。なので、2週間後には本歯が出来上がってきます。問題なのは1万円ほどの出費が発生することです。以前のようにロシアから原料が手に入れられないために、差し歯や銀歯の価格が相当に高騰しているようです。たしか以前は1本に付き4千円もしなかったのにと溜息をついたところで、それが何になるでしょうか。黙って受け入れるしかありません。

 そんな時は以前新聞に載っていた米国在住の特派員の人のコラムを思い出して、まあいいかと納得するのです。アメリカでは出産費用が200万円かかるだの、医療費が天文学的に高いだのと聞いたことがありました。そんなことを聞いても、別世界の事でピンときませんでした。ところが、特派員の人の「虫歯治療に3万円、神経の治療や差し歯を入れたら、その10倍費用が掛かかった」との記述を読んで、震え上がってしまいました。幸い、その人は会社の健康保険に加入していたので、後からお金が戻って来るようですが。

 となると、毎日の歯のケアは欠かせません。昔から風邪ぐらいでは外国人は医者には行かないで、オレンジジュースを飲んで済ませるのだと噂されていました。でも、歯に関してもそうなのでしょうか。お金がかかる、それも大金が必要となれば、自然と足が向かなくなるものですが、歯に関して言えばそれは難しいです。歯の痛みとお金とを天秤にかけたら、迷うことなく歯の痛みが勝ちます。いくらお金がかかってもいいから、歯の痛みをどうにかしたいと心から願うでしょう。

 別世界の話はさておき、健康保険に加入していて、普通に治療が受けれられる私でも、それなりに悩みはあります。それは口の中がどう努力しても、コントロールできないということです。歯に関して言えば、見えない歯の裏側や奥歯は別にしても、しっかり自分の目で見えている前歯さえも、虫歯菌から守れないことに無力感を覚えます。毎日、それなりに時間をかけて、細心の注意を払って磨いているつもりです。いいえ、歯磨きだけでは足りないので、歯間ブラシも2種類使って、食べかすを取り除いています。歯医者の先生に、「歯間ブラシは歯周病予防で、虫歯の予防にはフロスなんですよ」と言われて、頭をガツンとやられて以来、フロスで歯と歯の隙間をごしごしとやるようになりました。

 でも、それだけでは足りません。なぜなら上の歯の裏側はブラックホールのごとく目に見えず、未知の世界で、一体全体どうなっているのかさえも見当がつかないからです。磨いているつもりで、一応歯ブラシを当ててみるのですが正直虚しいです。そのことを歯医者の先生にぶっちゃけると、「それだからこそ、お手数ですが、定期的に歯医者に通ってもらう必要があるのです」と諭されてしまいました。「はっきり言って、ゴールは無いのですよ」とも言われ、生きている限り付き合いは続くのだと思い知らされました。

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