人生は旅

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インターネットでショッピング

はてなインターネット文学賞「わたしとインターネット」

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夢中になってのめり込んだら、失敗もいろいろあって

 その昔、通信販売が全盛だった頃、注文する手段は電話しかありませんでした。新聞のチラシや分厚いカタログから、各自気に入った物を捜し出して注文します。支払いは代引きか、あるいはコンビニ払いに限られていました。やがて、インターネットで何でも買えるようになって、しかも支払いはクレジットカードで済み、おまけにポイントも溜っていいことづくめでした。送料もある程度の金額を買えば無料になるのですから、利用しない手はありません。ショッピングサイトはカタログと違ってスペースが無限です。重たくもないし、時間を忘れて閲覧し、まるで仮想空間でウィンドウショッピングしているようなものです。買わなくても、買えなくても見ているだけで満足してしまう、そんな気分にさせてくれる魔法の力を感じてしまいます。当然、自分の欲望は高まるのですが、そこは理性の力が働いて預金通帳の残高だとか、自分の給料だとかが頭の中に浮かんできます。自分の身の程をわきまえて、本当に必要な物、あるいは好きな物だけを買うことになります。

 そんな私でも、いつの間にか気づいたら欲望が暴走してしまうこともありました。例えば、それはお茶で、近所の方たちに配るほどの量を買ってしまったことがありました。何が原因でそんなことになったのか、たぶん心のどこかでいつも「美味しいお茶が飲みたい!」という思いを抱いていたからです。それなのに現実はどこのスーパーにもなくて、人から勧められたお茶屋さんに行って見ても気に入った物はありません。そんなとき近所の知り合いから静岡のお茶をお土産にもらいました。その人は出張で静岡に行ってお茶を買って来たらしく、試しに飲んだらすごく美味しいのです。それで自然と、「そうだ、ネットでお茶を買おう!」ということになったわけです。最初は1個か2個でいいと思っていたら、セット販売で特別価格でお得というのがあって、ついついクリックして買ってしまいました。

 お茶に限らず、その頃は何でも思いついたらサイトを見るというのが習慣になっていました。もちろん興味があって覗いてみるのですから、買わないという選択肢はなく、気軽に「カートに入れる」をクリックしてしまいます。その理由は何と言っても、その商品が私に、私の生活に潤いを、幸せをもたらしてくれると信じているからです。このくらいの値段の物で幸せになれるのなら安いのではと考えた結果なのでした。物で幸せになれると信じて疑わなかった私は次にスムーザーが欲しいと思いました。ちょうど健康ブームで野菜を取るために一番効率的な方法だと言われていたからです。毎日サラダではさすがに飽きてしまうし、量を食べるのはなかなか難しいのです。最初は量販店に実物を見に行きましたが、見本しかありません。それでネットで検索してみたら、在庫があったので迷うことなく買ってしまいました。実際にスムーザーを買ってみたら、商品そのものには満足したのですが、思ってもみなかった問題が発生してしまいました。

 それは甘味の強いバナナを入れないとスムージーが美味しくないことでした。野菜はレタスでもキャベツでも、ホウレンソウでも何でもいいのです。肝心なのはバナナで、甘味なしではとても飲めた代物ではないのです。スムージー生活をするためにバナナを買うことが日課になりました。バナナなら何でもいいわけではなくて、甘みの強い物を捜すのは意外に難しい事でした。その頃の私はバナナに翻弄されていたのですが、だんだん嫌気がさしてきました。健康のために良かれと思って買ったスムーザーが、私をイラつかせ、煩わせていました。これは本末転倒ではないか!そう思ったらスムーザーとサヨナラする決心がつきました。はっきり言って、失敗に終わったわけですが、なんでも使って見なければわからないことだらけではないでしょうか。後日、知人の話で彼女もスムーザーを買って使ってみたことがあることを知りました。最初は確かに感激したのですが、材料を揃えるのが面倒になって使わなくなったそうです。

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