人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

叔母からの商品券で買った「旅の効用」

今週のお題「自分にご褒美」

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突然、商品券が届いてびっくり

 先日ブログに期間限定のお茶を買って、せっかくだからと叔母にも送った話を書きました。そしたら、あれから叔母から驚くべきことに宅急便が届いて、商品券を贈って来たのです。金額が1万円だったので、正直「ちょっとやりすぎなのでは!」と思いました。860円のお茶に対してはお礼などいらないのですから。それにあのお茶は1年に1度しか手に入らないからこそ価値があるのです。電話して聞いてみると、とても気に入ったらしくほんの気持ちだから気にしないでいいと言うのです。

 それで、「そうか、この商品券は自分へのご褒美なのだと思えばいいのだ」と都合よ解釈しました。その商品券は百貨店など使える店が限られています。早速都心にあるデパートに飛んでいきました、欲しかった本を買いに。デパートに行くのは何年かぶりで、全く縁がありません。聞くところによると、最近は対面で物を買う時代ではなくなっているらしいとか。その一方で人とのつながりを求めてやまない人も大勢いるのです。

商品券で自分へのご褒美を買う

 このデパートの書籍売り場は地下1階で本館とはかなり離れた場所にありました。それが私には好都合でとても行きやすい場所でした。本屋に行くといつもそうなのですが、買おうと思った本を買って来た試しがないのです。この日も売り場に行ったら、目の前の光景に目を奪われて、自分が何を買いに来たのか忘れてしまいました。商品券1万円分すべてを使い切ろうと2冊ほど手に持っていたら、ある1冊の本が目に留まりました。その本の名前は「旅の効用」で副題は”人はなぜ移動するのか”と書いてありました。何と美味しそうな、旅心をくすぐる文句ではありませんか。さらに追い打ちをかけるように本の帯には「不機嫌という病を治すにはまず、自分の安全領域から外に飛び出すことだ。そうすれば、すべてをコントロールしなくても日々がうまく運んでいくと気づくこともある」という誘惑のコメントが。すっかり心を鷲掴みにされた私は迷うことなく本を手に取り、早く家に帰って読みたい気持ちでいっぱいになってレジへと急ぎます。

従来の旅行記とは一線を画す「旅の効用」

 「旅の効用」は著者の旅行記なのですが、人が旅に出る理由に重点を置いて書かれているところが従来のものとは一線を画しています。著者はスウェーデンのベストセラー作家であり、インドを中心に30年以上も旅した経験を持つ筋金入りのバックパーカーの男性です。残念なことに、彼が書いたベストセラーの日本語訳はまだ発売されていないそうです。2015年に著者であるペール・アンディションが書いたのは「インドからスウェーデンまで自転車旅をし、スウェーデン人女性と結婚したインド人の伝記」です。

 「旅の効用」の中で特筆すべきは、著者が最も感動した旅行ガイド本について書かれている文章です。それはスウェーデン出身の若き25歳の女性が書いた旅レポで、そのタイトルは「ボッフィヨール ― 旅が凝固点に達する場所」でした。「彼女はノルウェー北部のボッフィヨールの町に向かって放浪し、魚工場で働き、そこを通じて世界と遭遇した」。つまりそこで出会った人々への人間ウォツチングによって、自分の知らない世界を知り人々の内面の変化までも感じ取っていることに感激したのだという。

 「魚工場で働くフィンランド人が夜ウオッカを飲んでいる。その時彼らの腕にはまだ魚の鱗がくっついていて、グラスを口に運ぶときにそれは装飾品のようにキラキラと輝く」。そんな暖かい視点で人間を見られるなんて、素晴らしいではありませんか。

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