人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

イスラエル

今週のお題「読みたい本」

NHKフランス語の巻末に載っていた『イスラエル』の広告

何気なく見つけた広告、それで終わりのはずだったが

 私が今読みたい本は、社会活動家のダニエル・ソカッチ著の『イスラエル』で、図書館で予約して、自分の番が来るのを待っているところだ。要するに、気まぐれな好奇心で、日頃、なんとなく疑問を持っていることに、それなら読んでみようかと興味を示しただけのことなのだ。私などは、国際問題にはとんと疎く、日頃から3紙も新聞を読んでいるにもかかわらず、その論旨を把握することは至難の業だ。紙面の字面を読んでも、その中身がぼんやりとでも浮かんでくれば、いいのだがそれも難しい。

 そもそもなぜ、この本『イスラエル』にこだわるかと言うと、なんとなく気になっただけでは終わらなかったからだ。最初、私はこの本のことをいつも買っている、(放送は聞いていなくても、買うのが習慣になっている)NHKフランス語講座のテキストの巻末にある広告で知った。まず、『イスラエル、人類史上最もやっかいな問題』というフレーズが目に飛び込んできて、おやっと思い、次に、『知らないでは済まされない』とあったので、いつもは興味なんてないのに、突然、物凄く知りたいと言う気持ちが湧いてきた。不思議なことに、この時の私は、イスラエルのことを他人ごととしか思えず、まあそれも無理のないことなのだが、知らなくてもいいことだと思っていた。

 誰でも、イスラエルがどんな国か、おぼろげながら知ってはいるつもりだが、本当のところはよく知らない。テレビのニュースでイスラエルパレスチナのことが報道されない日はないと言ってもいいくらいなので、国際事情に疎い私でも両国が長年紛争状態にあるのは知っていた。だが、どうしてそうなったのかについては誰も教えてくれないし、また彼らの主張する、到底譲歩できない何かが、どうしてそんなにも大切なのかが、理解できなかった。それで、私などは、あの人たちは私たちには到底考えが及ばない思考回路の持ち主だと判断し、もう考えるのはやめた方がいいとさえ思っていた。彼らのことなど、何も知らないのにそんなふうに思ってしまうなんて、なんと浅薄なのだろう。忙しさに紛れて、考えても仕方がないのだからと考えないようにしてきたし、すっかり忘れていた。

 だが、偶然、この本『イスラエル』の広告に出会ってしまった。普段なら、一瞬好奇心をくすぐっただけで終わるはずだったが、それでは終わらなかった。その頃、俄かに図書館のサイトで本を予約して読むという行為に嵌っていた私は、すぐに図書館のサイトの簡単検索の画面に『イスラエル』と打ち込んでみた。すると、なんと、その本はちゃんとあって、当然のことながら貸出中だったが、予約数は8だったので、躊躇することなく予約を入れておいた。今思うと、その時もしヒットしなかったら、今このブログを書いていたかどうか怪しいものだ。なぜなら、本屋に走って行って、ドキドキしながら本を探してまでして、読みたい本でもなかったからだ。自分で書店まで行って探すという時間と労力をかけることなく、簡単に手に入った機会だったから、ラッキーというしかなかった。正直言って、この時は使えないとばかり思ってバカにしていた図書館を”なかなかやるじゃない”と大いに見直した。

 本当のところは、私の前に予約している人が大勢いるのだから、そう喜んでもいられないのだが、いつかは読めるのは確かだ。”果報は寝て待て”とばかりに、全然予約がないが、自分がよさそうだと思った本を借りて読んで待っている。先日、図書館サイトの利用状況を見てみたら、この本『イスラエル』は4月11日に予約して、現在は私の予約順位は4になっていた。図書館の貸出期間は2週間だから、ざっと見積もると、手元に来るのは2カ月後くらいか。まあ、のんびり待てばいいか、それに、今の私の興味の矛先は別の方向に向かっているのだから。

 そうはいっても、新聞でイスラエルに言及した記事を見つけると、何のことはない敏感に反応してしまうのだ。例えば、先日などは『ユダヤ人が祖先の土地であるとされるパレスチナへの移住を勧め、1948年にイスラエルの建国を宣言したことが、紛争のきっかけだ』との記述に、「そうだったのか」と目から鱗だった。争いの根本的な原因を初めて知り、『そこに住んでいたパレスチナ人が大いに反発し、度重なる大規模な軍事衝突が起きている』ことに納得せざるを得ない。両者ともに譲れないのは理解できる。だが、同じ人間同士が傷つけあうのは見過ごせない。ではどうすればいいのか、それを知りたいからこそ、この本「イスラエル」を読んでみたい。

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