人生は旅

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新聞の紙面で「春日さん」を発見

西野恵未さんはミュージシャン!

 先週の土曜日はとても驚くことがあった。何気なく朝日新聞の別刷りBeを見ていたら、「私のThe Best」というコーナーがあって、一人の若い女性がほほ笑んでいる写真が載っていた。初めはこの人誰?みたいな感じで、ふと、名前を見たら、「西野恵未」さんで、あれ、何処かで見たような気がする。そう、そう、この間まで見ていたドラマ『作りたい女と食べたい女』の春日さんだ。待てよ、でもこの写真の女性は春日さんとは雰囲気が違うというのが正直な感想だが、紙面を読むと間違いなくあの「春日さん」だった。

 西野さんは2歳からピアノをやっていて、まさに音楽の神様に守られているかのような人だ。高校時代にバンドでボーカルをやっていて、プロにならないかと誘われたこともあった。CMの依頼もあったのに、それには学校を辞めなければならないので諦めた。大学を卒業した後、インターナショナルスクールの先生になって、毎日が楽しかった。だが、2011年に東日本大震災が起きて、このまま音楽と縁がない人生を送ることに疑問を抱いた。西野さんはきっぱり仕事を辞めて、音楽の道を歩むことにした。

 『作りたい女と食べたい女』に出演したきっかけは、まさに運命のように向こうからやって来た。出演していたライブに偶然ドラマのプロデューサーと脚本家が見に来ていて、見染められた。出演依頼をメールでもらって、詐欺だと思った。それくらい突然だった。そんなエピソードを聞いて、私も思い当たることがあった。それは、まだこのドラマのことをあまりよく知らなくて、ネットで検索して漫画の一コマが載っているのを見たとき、ガ~ンとなった。そこにはドラマの春日さんとそっくりの春日さんがいたからだ。ドラマの春日さん、つまり、西野恵未さんは、まさに適役で、見事に春日さんその人だった。

 マンガと同様にドラマの春日さんも体格がよく大柄で、毎回その食べっぷりに惚れ惚れする。下世話な話だが、春日さん役は大食い選手権に出るくらいの人でなければ務まらないのではないかとあれこれ考えた。だが、それより春日さん役に求められるのは、何があっても動じない、堂々としたというよりも、泰然とした雰囲気だ。無口で、感情を表さない春日さんだが、ドラマの最後には控えめに笑うところまで進化した。春日さんは絶対に笑わない人だとばかり思っていたので、これには仰天した。実際の西野さんは普通の人なのだろうか、とまで思うのは相当に春日さんの印象が頭に焼き付きすぎて、どうしようもないからだ。

 西野さんのインタビューを読んで、印象的だったのは、「楽しい」を連発していること。「インターナショナルスクールでの仕事は毎日がすごく楽しかった」が、それでも自分の好きな音楽の道を優先した。またドラマの撮影も「野本さん役の比嘉愛未さんと、話し合って、場面場面の演技を作り上げていくことが楽しかった」と今の自分にとても満足しているようだ。これからは、歌、ピアノ、演技と表現の幅を広げていきたい。「むしろ、”ここしかない”と決めてしまうから失敗するのかもしれない」と物事の核心に迫った発言もしていた。ここらあたりはまさに春日さんの雰囲気を身にまとっている感がある。ドラマで「今の仕事はひとりでできるし、ストレスはありません」と即座に返答する春日さんと重なって見えた。

 そんな西野さんのお気に入りはなんと、歯型や歯の模型で、とても変わっている。どうしてそんなものをと思わず口走ってしまうほど私には理解できない。石膏、象牙、陶器とかの手触りが好きで、心が落ち着くのだそうだ。紙面の写真で西野さんが持っているのは、白の歯茎に青い歯のアートっぽい歯型だ。歯型というより、オブジェに近いから、入れ歯には見えない。知れば知るほど、西野さんは面白い人だなあと思う。またドラマで西野さんと出会える日が楽しみだ。

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