人生は旅

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世界でうける日本のお菓子は何?

まさかのお菓子がランクイン

 テレビで、「世界で受けるお菓子は何?」と題した番組がやっていた。ここでのお菓子は、日本各地のお土産で、人気がある昔から名物と呼ばれるものだ。”名物にうまいものなし”とも言われるが、人の好みは十人十色なので、好きな人は好きでいいし、いったいあれのどこが美味しいのと不思議がる人もいていい。どう判断するかは個人の自由でいいのだが、さて、外国人の評価はどうなのか、とても気になるところだ。といっても、私がこの番組を最初から最後まで真面目に見ていたかというと、そんなことはあるはずもなく、例によってテレビの前を通りかかったまでのことだ。偶然ランキングを発表する場面に出くわして、思わず目を留めてしまった。

 日本全国の名物として挙げられたのは、新潟の元祖柿の種、博多の通りもん、岩手の南部せんべい、名古屋のういろう、東京の人形焼きなどで、他には芋けんぴといった意外なものもあった。それらの昔から名物と言われるお菓子をアメリカ、フランス、イタリア、インドの4か国の人に味見をして貰って感想を聞いてみる。例えば、博多の通りもんは、米、仏、伊の三か国の人には不評だったが、インドの人はそうでもなかった。なぜかというと、あのたいして甘くもなく、ねっとりしている餡がまんじゅうを包んでいる皮と合わないから。つまり、餡も皮も両方ともふにゃふにゃしていて、食感が悪いということ。それに欧米の人は味がはっきりしていないとダメらしい。甘さが強調されないことには美味しいと感じないらしいのだ。

 考えてみると、海外旅行に行って、日本にいる感覚で、お菓子やケーキを買って食べようとすると、口の中がその甘さで爆発しそうになった。甘すぎる、いったいどうしてこんなに甘いのだろうかと驚愕した。甘さ控えめが大好きな私には、とても付き合いきれないと諦めた。博多の通りもんは、あの白あんとカスタードの配合が抜群で、もう少し注文を付けるとしたら、皮は少し硬めの方がいいと思う。

 特筆すべきは、南部せんべいが意外にも、外国人に受けていることだった。私的には、ゴマがこれでもかと入った南部せんべいはまるで砂を噛んでいるように味がなく、あまり好きではない。ところが、ランキング的には全体の4位というから信じられない。特に、イタリアでは皆の支持をうけて、第一位だった。いったい何がいいのかというと、それはワインにあうということで、これにチーズやハムを挟んで食べたらどうかという提案もあった。ゴマの味と煎餅の食感がイタリア人には大うけしたが、一方でインド人にとっては、ゴマのお菓子は甘いのが定番で、受け入れがたいようだった。南部せんべいにチョコレートをかけたらいいかもしれないという発言にはさすがに閉口した。

 意外だったのは芋けんぴで、なんとこれが全体の第3位で、あの甘さにもかかわらず、いやあの甘さだからこそなのだが、カリカリとした食感も相まって、大いに支持された。私などはスーパーに置いてあるのを見かけても、無視して素通りしてしまうのに。正直言って、芋けんぴを買うくらいなら、迷わずポテトチップを買うだろう。外国人のインタビューを見て初めて知ったのだが、芋けんぴに似たお菓子はあるのだという。それはじゃがいもを砂糖で甘くして、油で揚げたお菓子だそうで、皆が同じことを言っていた。わざわざ、あのままで十分美味しいじゃがいもを甘くするという発想自体が信じられない。それくらい、外国人は甘い味を好むということか。

 そう言えば、NHKフランス語講座の先生が、フランス人に日本の小豆のお菓子を勧める時は少し注意が必要と話していた。たいていのフランス人は小豆のあのぼんやりとした甘さを美味しいとは感じない。彼らはもっとはっきりとした甘さを好む傾向にあるからだ。なるほど、高級チョコレート菓子は別にして、スーパーで売っているようなお菓子は私のような日本人の口には合わない。お土産に買って行っても、皆に喜ばれた試しがない。

 さて、肝心の第一位が気になるところだが、CMが長すぎて、やることもあった私は結果を見逃してしまった。確か、最後まで残っていたのは柿の種と人形焼きで、インタヴューの映像では柿の種が優勢だった。「この食感が何とも言えないし、それにこの味はビールのお供にピッタリ!」と外国人に大うけだった。人形焼きに至っては、「中にはチョコレートが入っているの?」などという的外れな指摘もあったから、こちらはええ~!?と開いた口が塞がらない。私の勝手な想像では、おそらく一位は柿の種に違いない。

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