人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

膝が悲鳴をあげる

膝の違和感の原因は正座?

 私は毎週金曜日の夕刊に載っている岸本葉子さんのエッセイ、『人生後半、初めまして』を楽しみにしている。これまで何年にもわたって、拝読しているので、岸本さんがどんな人で、何を考えているのかがだいたい想像できる。やはり文章にはその人の素の姿が浮き彫りになるものらしい。仕事人間で、ひとたび興が乗れば、何時間でもパソコンでの入力作業に熱中するあまり、まさかのパソコンが「少し休んではいかがですか」と警告する事態になると言う。これには当方も腰を抜かすしかない。それほどの集中力はどうしたら生まれるのか、機会があれば、ぜひ直に伺いたいと本気で思うくらいだ。

 趣味は仕事だと、公言してはばからない岸本さんだが、実はその他にも熱中していることがある。それはジムでのダンスレッスンと、以前NHKの番組で司会をなさっていたこともある俳句だ。仕事、ダンス、俳句の三つが岸本さんにとっての生きがいと言えるものだ。ところが、最近、そのうちのひとつのダンスを踊っている時に、膝に違和感を覚えた。ジムの仲間に話すと、皆レッスン着の下にサポーターをしているのだとわかった。誰もそんなことは口に出さないし、外からは見えないがそれなりに対策はしているらしい。なので、早速ダンス仲間のアドバイスに従って、サポーターを膝につけて踊ってみた。なるほど、確かに何もつけていない時と比べると、格段に膝が楽に感じた。

 これで当分は乗り切れると楽観していたら、思いもかけないことが起こった。長時間リビングでパソコンに向かっていて、立ち上がろうとしたら、「痛たたた」となり、すぐには立ち上がれなかった。この時初めて知ったのだが、岸本さんは正座が大好きで、椅子に座ってではなく、床に座る方が落ち着くと言うタイプだった。とにかく、食事をするときも、仕事もするときも正座をするのが習慣になっていたが、さすがに正座はまずいと感じた。それでネットで検索してみると、ほとんどの整形外科医が同様な意見だった。岸本さんは今では、できるだけ正座をしないようにしようと決めてはいるが、長年の習慣を変えるのは難しく、ついつい座ろうとしてしまう。だが、ダンスを諦めたくないので、正座をやめて、膝をいたわる努力をしている。

 なぜ、岸本さんの話を書いたかと言うと、膝の痛み、と言うか、足の痛みは私が現在抱えている悩みでもあるからだ。以前にもブログに書いたが、正座をしてパソコンでブログを書いていたら、足に激痛が走った。これはいったい何事?と自分の右足をよく見てみると、膝の裏にある何かが曲げるのを妨害していた。その何かのせいで膝を曲げると痛いのは明かだった。診療所で超音波検査をすると、それは水が入った袋状のもので、ベーカー嚢腫というのだそうだ。手っ取り早い治療法は注射器で袋の中に溜まった水を抜くことだったが、先生はその方法を避けたいようだった。その理由は、一度そうしたら、何度でも繰り返すからだった。初めて受診したのが6月の初めで、自然と消えると言う話だったが、未だに痛みは消えていない。ざっと数えて、5カ月目で、もちろん、膝は以前と比べると、曲げられるようにはなったことはなった。

 ただ、問題は依然として足と言うか膝と言うか、痛みがさっぱり消えないことだった。ある日眼科に行くために急な階段を上っていた時に、突然膝が悲鳴をあげた。そのことにショックを受けた私は、居ても立ってもいられず、今度は整形外科を受診した。実は最初は、いつも散歩の途中で見かける受付のために長蛇の列を作っている整形外科に行って見た。だが待合室に20人以上の人が待っていたので恐れをなして退散した。その後、別のところにも行って見たが、木曜日で休診だったので、大通りを入った目立たない場所にある整形外科でも、いいかと譲歩した。

 整形外科に行くのは初めてだったが、先生が私の右足を触診もせずに、レントゲンだけで診断を下したのには仰天した。病名は変形関節症だと、左右の足のレントゲン写真を比べながら説明してくれるが、素人目にはたいしてその違いは分からない。さらに症状がひどい場合は手術という選択肢もあるが、あなたの場合はその必要はないとこともなげに言ってくれる。ではいったいどうすれば、この痛みは消えるのかと尋ねると、リハビリをすればいいとのこと。だいたい週に1回程度でいいと言うが、その効果は人それぞれだと言うので、試しに受けてみた。なんのことはない、両足に足形のベルトを巻き付けて10分ほどじっとしているだけのことだ。その間、何度も足に圧力が掛かったり、ゆるんだりの繰り返しだ。その結果、残念ながらこれでは何の効果もないと確信したのだった。

mikonacolon