人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

時間が足りない

毎晩寝るのが遅くなってきているのには訳がある

 この頃私は寝るのが遅くなっている。今まで9時半には布団に入っていたのに、気が付くともう10時半を過ぎている。「これはまずい。いい加減に寝なくちゃ」と慌てて布団に滑り込む。朝5時頃起きるので、当然今にも瞼と瞼がくっつきそうなほど眠い。それなのに中国の動画サービスのアイチーイーのサイトでドラマを見てしまうからだ。中国ドラマを英語字幕で見ていて、わからない単語を辞書で引きながらあらすじを追って楽しんでいる。もしもこれが日本語だったら、眠いのに無理してみるようなことは絶対にないだろう。英語字幕だからこそどうしても言葉の意味が知りたいと思うのだ。自分が知らない単語の意味を知って、以前にはわからなかったことが分かるようになるのが楽しくて仕方がない。

 私が今見ているのは中国ドラマの『大宋宮詞』で、ちょうどビック・チョウ扮するXiang殿下が洪水に見舞われた地域で市民救済と洪水対策に奔走している真最中だ。英語字幕に出て来る役人の公金横領、収賄等の単語、洪水に関連した数多くの単語を辞書で調べて、ノートに書き留めながらドラマを見ている。一見これらは日常生活には関係がないように思えるが、私がこれまで見てきた映画やドラマではお馴染みの単語なのだ。要するに、日本語では身近なのに英語で何というのかあやふやか、あるいは知らないだけのことだ。おそらく、これからも何度も出てくる、覚えておいて損はない重要単語に違いない。だいたいがそんな常識的な単語も知らなくて、英語字幕でドラマを見る方がどうかしてはいないか。何とも恥ずかしい話だが、きっと近い将来役に立つはずだ。

 だが今の私は役に立つからしているわけではなく、ただ、無性に未知のことを知りたくてやっているだけなのだ。考えてみると、これまでの私はいつも「やらなきゃ」で自分を叱咤激励していた。自分で決めたことだからというだけで、それが本当にしたいことかどうかなんて考えてみたことはなかった。正直に言うと、中国ドラマをまさか英語字幕で見るだなんてことは夢にも思わなかった。どう考えても、中国ドラマなのだから、当然中国語字幕だと誰でも思うはずだ。アイチーイーのサイトでは字幕を中国語に変えてみることもできるが、それは私にはどう見ても時期尚早だ。なので、今のところはドラマを英語字幕で視聴し、そのうち慣れてきたら、中国語に切り替えるつもりだ。

 それはさておき、今私が直面している問題はやりたいことを思う存分やる時間が足りないということだ。時間が足りないだなんて、今まで本当の意味でしみじみ思ったことはなかった。朝は時間がないし、夜の静寂の中落ち着いてからしようとすると、眠くて朦朧としてしまう。無理をすれば、翌日に負債を残し、突然の睡魔に襲われるのがおちだ。そこでどうしようかと考えたら、新聞を封印し、読む時間を最低限に減らすことを思いついた。もちろん新聞を取るのをやめるだなんてことは滅相もないことで、無ければたちまち寂しくなるに決まっている。自慢にもならないが、新聞を読み始めるとあっという間に2,3時間はすぐに過ぎてしまう。気になる記事は2度、3度と読み返すし、切り取ってスクラップするから手間暇もかかる。連載が終わった後にいつも切り取っておけばよかったと後悔するからと、あまり面白くないと思っている小説も真面目に切り取ってファイルに入れて置く。

 新聞にはなんだか悪い気がするが、少し距離を置くことにする。今は動画サービスで英語字幕でドラマを見ることに嵌っている。既述したようにこれがもし日本語だったら、こんなにも熱くなれただろうか、甚だ疑問に思う。そう言えば、コロナ前に乗ったフィンランド航空の機内でのことをふと思い出した。それは雷に打たれたような衝撃を受けた出来事だった。その時私は搭乗し、荷物を頭上のボックスに収めて、座席に座った。それからいつものように目の前にある液晶パネルで映画を見ようとした。当時のフィンランド航空の機内では日本語で見れる作品が五万とあったはずなのだ。それなのに日本語で見られる映画がない。焦りまくって探してみてもやはり見つからなかった。

 それで私はようやく悟った、ほとんどの映画は音声が英語なのだと。もう日本語で見られる映画は無くなったのだと。要するに”時代の転換期”だった。その時の私は暗澹たる気持ちになったが、翌年にコロナが流行して海外旅行に行けない時代が来るとは予想もしなかった。どうしても日本語で映画が見たければ国内のキャリアであるJALやANAに乗ればいいだけの話だが、過去にANAの座席の狭さに閉口して以来乗る気にはならない。

 だから、今はちょうど英語に親しむ絶好の機会だと思っている。NHKの『ラジオ英会話』の復習も毎回驚きと発見の連続で嫌になるどころか、ICレコーダーで番組を聞きながらゲラゲラ笑っている。しばらくはこのまま続けて行こうと思う。

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